魔女の法廷―ルネサンス・デモノロジーへの誘い

  • ただいまウェブストアではご注文を受け付けておりません。
  • サイズ A5判/ページ数 334,/高さ 22cm
  • 商品コード 9784000021579
  • NDC分類 387
  • Cコード C3016

出版社内容情報

魔女を火刑台に送った法と物語とは何か.悪魔学・魔女学の16世紀を代表する三つの書物.魔女裁判マニュアル,法学的「告発」の書,医学的「救済」論を読む.魔女を造形した法廷の言説が語る,ルネサンス精神のもう一つの系譜.

内容説明

あなたの隣りに、悪魔と魔女がいる。この信念を支えた言葉の戦略とは何だったのか。魔女を召喚し断罪した、法廷としての書物。その告発と弁論に浮かび上がる、知られざるルネサンスの闇の顔とは何か。火刑台と共にあった中世末期からルネサンス期にかけての、三つのベストセラーを読む。異端審問官の手になる『魔女への鉄槌』、世紀最大の人文主義者ジャン・ボダンによる魔女弾劾の書『魔女の悪魔狂』、そしてプロテスタントの医師ヨーハン・ヴァイヤーの魔女狩りへの異議申し立ての書『悪魔による幻惑』。これらの書物は「いかに」して悪魔と魔女を語ったのか。その論理とレトリックを丹念にたどり、背後に潜む中世神学的な、あるいは近代法学的・医学的な発想の枠組みを明るみに出す。デモノロジーの書物が織り上げた魔女像から、時代の世界観が浮かび上がる。

目次

序章 悪魔のいるルネサンス
第1章 末期スコラの魔女学―『魔女への鉄槌』考
第2章 魔女観と国家観の交差へ―ジャン・ボダンの『魔女の悪魔狂』
第3章 魔女学の論理から文学へ―ヨーハン・ヴァイヤー『悪魔による幻惑』
第4章 法と魔女―ボダンの「ヨーハン・ヴァイヤーの意見への反駁」
終章 悪魔と魔女の世俗化

著者等紹介

平野隆文[ヒラノタカフミ]
1961年生まれ。専攻:フランス・ルネサンス文学・思想。東京大学大学院人文社会系(フランス文学専攻)博士課程修了(文博)。現在、青山学院大学文学部フランス文学科助教授
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ikeikeikea

1
ルネサンス期における魔女学に関するテキストを分析した1冊。魔女に関する話なので荒唐無稽なオカルト寄りと思いきや刑法における旧派と新派の争いを先取りしているような側面もあって面白い。魔女擁護派は魔女に必要なのは処罰よりも治療と主張するし(近代的なようだが悪魔の実在は信じている)、魔女非難派はあの主権概念で有名なボダンだ!宗教論争と法律論争が絡みあうのが魔女に関する論争と知れる有益な1冊。2019/01/13

戸塚こだま

0
魔女と魔女狩りについて当時書かれたテキストを分析する本。魔女狩りについて調べていると出てくる頻出タイトル「魔女の槌」「魔女の悪魔狂」「悪魔による幻惑」の内容を細かめに知ることが出来る。原文そのものは適宜引用という感じで、まとまった量が読めるわけではないが、仕方あるまい。 書かれたものと人々の感じ方(階層によって当然異なる)との間にはまた溝があるのだが、ともかくもこの時代の世界観とか感じ方というのは、現代とは非常に違っている反面、それで異化して済ませてしまう訳にはいかない面白さがある。2015/06/22

ふたば

0
めも:ヴァイアー『魔女論』2014/06/26

ヴァッハ

0
魔女裁判の渦中であった近世ヨーロッパにおいて記された魔女についての著書を紐解く内容。 ありそうでなかった観点と構成で興味深い。 独特の、口語混じりの少しコミカルな文体で進むので読みやすいです。 逆に残念な点としては、紹介著書数にページ数が比例していないので、あまり突っ込んだ内容とは言い難いです。

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/674145
  • ご注意事項