福祉の経済学―財と潜在能力

福祉の経済学―財と潜在能力

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  • サイズ B6判/ページ数 145,/高さ 20X14cm
  • 商品コード 9784000020046
  • NDC分類 331.74
  • Cコード C3033

出版社内容情報

福祉とは何か.実質所得や効用水準に焦点をあわせる従来の経済学的方法を批判し,潜在能力による測定を提唱する.生活の質を自由に選択できる機会の可能性の問題として捉える,福祉と生活水準評価の理論のための序説.

内容説明

本書の主な目的は、厚生経済学の基礎、とりわけ個人の福祉と好機の評価に関して、相互に関連した一郡の命題を提出することにある。本書の焦点は、主に福祉一般の評価、とりわけ生活水準の評価に合わせられている。

目次

第1章 私益、福祉、好機
第2章 財とその利用
第3章 効用、欲望、幸福
第4章 機能と福祉
第5章 評価と序列
第6章 情報と解釈
第7章 福祉と好機
補論A 若干の国際比較
補論B インドにおける福祉と性的偏見

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

壱萬弐仟縁

13
F文庫。1985年初出。文字通りの邦訳なら『財と潜在能力』という書名になりそうだ。福祉や生活水準の評価を経済学ではどう行うのか。福祉は成就するもの(状態がいかによいものか)に依存する(15頁)。生活の質QOLの評価の問題。福祉の基本的な表現は、機能ベクトルbi(iは右下)を用いる(73頁)。地域福祉の経済学というような研究も難しいテーマだが、本書から出てくる事例分析にも思える。2013/12/06

入江

5
ふぅーん、そうなんだろうとオレも思ってたよって感じの本。でも、学問として書くにはこんなまどろっこしい作業が必要なのね。ホントに入り口でしかない本。2017/03/28

roughfractus02

3
断食する裕福な人と食べるのに困る貧しい人の摂取カロリーが同じでも、前者の方が何かをなしうる選択能力=潜在能力は高い。摂取カロリーで生活水準を測るアプローチでは見えないこの能力を数理的に表現しようとする著者は、福祉を富裕や快楽の充足(効用)と区別し、個人の感情でも市場の価値でもない内省的な評価の活動として捉える。前著では効用と厚生に関するアローのパラドクスの前提にある経済人を批判して効用概念の捉え直したが、本書では、厚生概念の捉え直しを図り、生活水準=福祉に「機能」(なしうること)を評価する指標を導入する。2020/07/02

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