出版社内容情報
絢爛たる現代の文学理論の跡をたどり,「文学」と呼ばれてきたものの核心にあるものをラジカルに問う.その受容の位相を測り,文学の「イデオロギー」の内面化された仕掛を暴き出す.大胆で包括的な文学入門.
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ponkts
2
最近になって分冊で岩波から文庫化された。手元にはこの旧版しかなかったが内容の追補はほとんど無いかと思う。イーグルトン自身がベンヤミンの権威であることも大きいのか、『文芸批評とイデオロギー』『美のイデオロギー』などは相当に難解で込み入った理論的著作となっているが、本書は筒井康隆『文学部唯野教授』の元ネタになるくらい(比較的には)読み易いものとなっている。ピエール・マシュレと同じくイーグルトンの主要な関心はイデオロギーにあり、その点からポストモダニズム的運動に批判的であることは前提として読んでもいいかと思う。2014/10/19
★★★★★
1
筒井の『文学部唯野教授』のネタ本。