広島 - 記憶のポリティクス

  • ただいまウェブストアではご注文を受け付けておりません。
  • サイズ B6判/ページ数 302p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784000019354
  • NDC分類 369.37
  • Cコード C0021

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

Daimon

2
当然いろいろとあるのだが…「広島を実際に訪れる前に、教師が多すぎるほどの資料を教室で生徒に見せてしまうのではないか、と多くの被爆者が思っていた。[…]私たちの多くは、そうしたシミュレーションと客観的情報にどっぷりつかっていて、その場所を訪れる前から原子爆弾に関する知識は十分だと感じてしまう。結果的に、こうした生徒たちのように、私たちはすでに知っていることを再確認して、広島への訪問を完結させてしまうのである。」(p.184)2021/07/18

roron

1
7年ぶりに再読。論点は様々あるが、明るい平和を強調しながら戦前戦後の矛盾の忘却を促す日本や広島の政治行政に対し、被爆者の語りや韓国人慰霊碑移設への抗議行動が、加害被害の複雑な関係や内部対立を孕みながらも、オルタナティブな記憶の実践として位置づけられている。しかし筆者は差異を強調しつつ被抑圧側の連携を唱えるが、そうした動きが広島の忘却への歯止めになったとは思われない。むしろ明るい平和は何たるかを問われぬまま、人々の生活に浸透し、当事者の語りは益々年中行事として受け止められるようになっていると感じる。2022/02/19

roron

0
原爆の記憶は、日本と欧米の双方でナショナリズムに利用されてきたという。日本では被害者としての立場を強調するために、欧米では戦争を終結させたとして投下と戦後秩序を正当化するために。しかし被爆者個人の語りからは、日米両体制への怒り、その下で政策を立案した者への怒り、そして被爆した自分そのものへの怒りなど、相矛盾する複雑な感情が浮かび上がってくる。当初被爆者の語りは日本の加害責任を曖昧化するために利用されていると考えていた筆者が、個人の記憶の重要性に気付き、その多様性を掘り下げていく過程が面白かった。2015/08/19

Yusuke Maruyama

0
安易な歴史の授業、修学旅行にならないように。歴史教育に携わるもにとして一読の価値はある。でも、難しい(笑)きちんとゼミで読み込んでおくべきだった…2014/01/02

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/315103
  • ご注意事項