貧困と飢饉

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  • サイズ B6判/ページ数 305,/高さ 20cm
  • 商品コード 9784000019248
  • NDC分類 331.87
  • Cコード C0033

出版社内容情報

20世紀に発生した「大飢饉」の原因が食料総供給量の不足であったという通説を否定し,人々が食料を入手し消費する能力と資格(権原)が損なわれた結果だと証明した,著者の開発経済学を支える実証分析の成果.

内容説明

本書は、20世紀に世界各地で発生した「大飢饉」の原因が一国レベルの食料供給能力不足にあったという通説を否定し、人々が十分な食料を手に入れ消費する能力や資格(権原=エンタイトルメント)が損なわれた結果であったことを明らかにしている。著者の「不平等理論」の形成に大きな影響を与え、開発経済学に新たな地平を切り開いた実証分析の成果である。原書刊行後の研究成果を簡潔にまとめた講演「飢餓撲滅のための公共行動」を併せて収める。1998年ノーベル経済学賞受賞。

目次

第1章 貧困と権原
第2章 貧困の概念
第3章 貧困―特定と集計
第4章 飢餓と飢饉
第5章 権原アプローチ
第6章 ベンガル大飢饉
第7章 エチオピア飢饉
第8章 サヘル地域の旱魃と飢饉
第9章 バングラデシュ飢饉
第10章 権原と剥奪
講演 飢餓撲滅のための公共行動

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

壱萬弐仟縁

30
最重要ワードは権源(エンタイトルメント)で、財の集まりを手に入れ、自由に用いることのできる能力・資格、ある人が手に入れ、自由に用いることができる財の組み合わせの集合(ⅴ頁)。飢餓とは人の食に対する権源、十分に食料を手に入れ、消費する能力や資格が剥奪された状態。飢饉とは死亡率上昇による剥奪の急進(ⅵ頁)。富裕層から貧困層への所得移転をすれば、多くの社会で貧困を大きく減らせる(20頁)。不平等は貧困と根本的に異なる問題(21頁)。この認識は新鮮であった。貧困は剥奪問題で、焦点は絶対⇒相対的剥奪へ(31頁)。2016/06/17

学所治

1
クレバーで弱者のための経済学。尊敬します。

ymazda1

0
最近、岩波現代文庫から再版されててびっくりした・・・貧困と飢饉は臨時雇用的な職種や水商売的な職種に集中するみたいな話を、この本を読んだときには対岸の火事的に「へ~」って思ってたけど、あれから20年近くたって、あらためて、日本にとっても予言の書みたくなってきてるんかなって、ちょっと思った。

はまおか

0
この本、わかりやすかった。さすがノーベル賞のおっちゃんだ。飢饉=食糧不足というのが現代の飢饉の形態ではなく、食糧が豊富にあるなか現代的な飢饉は起こるのだというのは、なるほどそうだと思う。

6ldう\:4hgでq0]dのfs

0
エンタイトルメント 民主主義で飢饉は起きない

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