出版社内容情報
日々の暮しの中で日本人の心を支え満たしているものは何か.佐藤忠男,永六輔,四方田犬彦,池澤夏樹と共に,映画や歌,漫画,物語などの具体的なジャンルを掘り下げ,日本人の等身大の姿と豊かな多様性を探る.
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
壱萬弐仟縁
37
佐藤氏:日本的ということがあたかも存在するかのように簡単に考えますが、日本的なものというのは、実際は存在しない(50頁)。鶴見氏:永六輔氏に紹介され、トルストイの話を想起。明治時代。徳富蘇峰が訪問。トルストイは音楽好きだったという(79頁)。四方田氏:『がきデカ』1975年 で、主人公は孤立するも、めげずにアナーキーに走る(154頁)。鶴見氏:岩明均『寄生獣』。まさしく学校批判。受験なんてあれはただ暗号。生きるための知識を求めているんだ(170頁)。読書すればいいじゃないか。2016/04/10
readtuktuk
0
鶴見俊輔と、佐藤忠彦(映画)、永六輔(音楽)、四方田犬彦(漫画)、池澤夏樹(物語)との対談集。〈(前略)たとえば私、アフリカのセネガルの映画で『村からの手紙』というのを見て感心したのですけど、何に感心したかというと、村の中の広場に一本の木がありまして、そこの木の回りに村の老人たちが集まって朝から晩まで何かとりとめもない話をしている場面が延々と続くんですね。そのなかでディスカッションでもなく「我々の村の農業が駄目になったのは、フランスにいわれてピーナッツばかり栽培したからで、それで土地が痩せたんだ、だから雑2009/02/17