出版社内容情報
あらゆる文化装置は中間から生成する.中間とは限りなく複雑なシステム,諸次元が相互に入り組む錯綜体であり,言語,身体,認識はその中の一断片に過ぎない.「過程」に留まり続ける中間者の存在論を提唱する.
内容説明
あらゆる文化装置は〈中間〉から生成する、都市も、社会も、歴史も…。中間とは限りなく複雑なシステム、諸次元が入り組み、振動する錯綜体だ。言語、身体、認識は、いずれもそのうちにあって共振する一断片に過ぎない。全体化を目指して自らを超え、再び帰る断片の循環のプロセス、思考の運動を追跡しよう。中心化と単純化を生む超越的な視座を廃して、中間にあることの負荷を担い続ける〈中間者〉の哲学=トランス・フィジックへ。
目次
プロローグ 身体による世界形成
1 〈身〉の哲学(〈身〉のまわり;リビング・システムの錯綜性;身の成層)
2 双面神としての言語―〈見分け〉と〈言分け〉の交叉(言語と記号;ポール・ロワイヤルの論理学;思想のアルファベット)
3 〈中間者〉の認識論のために(直接的認識の方法;知性的認識の形成;媒介された認識による〈組み立て直し〉;比較による認識)
エピローグ 〈中間者〉の存在論へ―トランス・フィジックの試み