総動員帝国―満洲と戦時帝国主義の文化

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  • サイズ A5判/ページ数 350,/高さ 22cm
  • 商品コード 9784000012454
  • NDC分類 210.7
  • Cコード C3021

出版社内容情報

満洲事変以来,日本国民は挙げて大陸進攻に熱狂した.翌年作られた満洲国は日本帝国の心臓部に結合され,日本の物的・文化的資源を総動員してゆく.この新しい日本帝国の成立から崩壊までの全史を描く,壮大な歴史叙述.

内容説明

満洲事変以来、日本国民は挙げて大陸進攻に熱狂した。事変の翌年作られた満洲国は日本帝国の心臓部に結合され、日本の人的・物的・文化的資源を総動員していく。この新ししい段階にいたった帝国の成立から崩壊までの全史を、広範な史料を自在に駆使しつつ描き切った、壮大な歴史叙述。

目次

第1部 総動員帝国の形成(満洲国と日本)
第2部 満洲事変と新しい軍事帝国主義―一九三一‐一九三三(戦争熱―帝国の好戦的愛国主義とマス・メディア;急速な帝国主義―エリート政治と大衆動員)
第3部 満洲の実験と植民地開発―一九三二‐一九四一(不安定な提携―植民地経済をめぐる軍人と実業家;すばらしき新帝国―ユートピアと知識人)
第4部 新しい社会帝国主義と農業開拓移民計画―一九三二‐一九四五(再発明された農本主義―農村危機と帝国への農業の結合;移民送出の推進装置―満洲開拓と国家の領域の膨張;帝国の犠牲者)
第5部 結論(総動員帝国の逆説)

著者等紹介

加藤陽子[カトウヨウコ]
1960年埼玉県生まれ。東京大学大学院人文社会系研究科助教授。日本近代政治史。著書に「模索する一九三〇年代日米関係と陸軍中堅層」(’93年)「徴兵制と近代日本 1868~1945年」(’96年)

川島真[カワシマシン]
1968年神奈川県生まれ。北海道大学大学院法学研究科助教授。アジア政治外交史

高光佳絵[タカミツヨシエ]
1970年福井県生まれ。一橋大学大学院法学研究科博士後期課程修了。博士(法学)。アメリカ外交史・東アジア国際政治史

千葉功[チバイサオ]
1969年千葉県生まれ。昭和女子大学文学部専任講師。日本近代政治史

古市大輔[フルイチダイスケ]
1969年東京都生まれ。金沢大学文学部専任講師。清代中国東北地域史
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感想・レビュー

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てれまこし

10
母が国民学校(当時の小学校)にいたころ、図書館に満洲関係の本がたくさんあった。ギリヤークなんていう日本人そっくりの民族の話や「高粱畑に夕日が沈む」なんて歌を読んで、満洲っていいところなのかなあと思ってたそうだ。その満洲は実は超近代的帝国で(ちょー近代的と近代を超えてるという二重の意味で)、科学とユートピアの融合した壮大な社会実験場であった。日本が満洲を作りかえたように、満洲も日本を作りかえた。小学校の図書室にまで国家の力が及ぶようになった。社会が植民地化されただけじゃなくて、社会もまた帝国に答えを求めた。2021/04/20

Pyonkichi

1
上下二段組の本はなかなかページが進んでいかず辛い…満洲については不勉強なので、内容をどうこう言えるほどの知識はないですが、ざっくり全体像をつかむことはできた。 結論のところの「漸増する帝国主義」という見方が面白かった。個々には小さなステップが積み重なって、結果的に巨大な官僚組織を伴う「帝国」となり、後戻りできなくなる、という。 あと、よく知られたことかもしれないけれど、「満洲」にみんなが好き勝手な「理想」を投影して、国内の社会問題を「輸出」しようとしたところもやはり興味深い(第5章 すばらしき新帝国)。2016/01/18

可兒

0
当時の日満情勢について勉強し直してから読んだ方がよさそうだ2016/07/19

HJ

0
満州国に関するステキな本。「総動員帝国」の新たな概念の提出は面白く、独創的だと同時に、満州国時代の日本について素晴らしいまとめキーワードである。2020/04/21

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