出版社内容情報
ヒトとモノ,モノを介したヒトとヒトとの関係が大きく変化した現代.「消費社会変容」はヒト・モノそして社会の再定義を迫る.20世紀産業社会システムの網目に主体の変容を読み取り,社会の構造と権力の布置を解明.
内容説明
高度大衆消費社会以後のステージにおける社会システムと、そのシステムの論理に準拠して、環境世界を構成するモノ/記号/身体という三つの基本的要素の変容と権力の布置を問う。
目次
第1章 消費社会におけるシステムの論理(消費社会変容;価値法則の構造的戯れ;システムの戦略)
第2章 環境世界における意味=感覚の変容(マネーゲームの世界;ポルノ・コマーシャリズムの時代;メモリアル・アートの光景)
第3章 権力のオフ・シーン(権力分析の準拠枠;〈性〉と身体空間の変容;死と身体空間の変容)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Mealla0v0
4
ボードリヤールの消費社会論とフーコーの権力論を接合しつつ、ドゥルーズ的な人間存在が微分され分散されていく現代社会という論理が展開されている。87年刊行ということで、いわゆる「ポストモダン思想」の趣が全開といった印象。脳死と生権力というテーマにアガンベンよりも先に触れている点は興味深いが、そこでは人体のモノ化が問題視されている。本書の主題である消費社会とは、フォードの大量生産によって始まるのではないとされる。むしろGM的な記号消費への飛翔がその始まりであり、それこそが権力論的回転である生政治と結びつく。2021/06/21
じょに
1
内田隆三の文章は読みにくい。ただ、ボードリヤールの権力論とかって読み直しが必要かなとも思ってる。2009/07/03