内容説明
現代の日本経済のあり方について徹底的な批判を加える著者は、それに代る具体的政策実現の支柱として、公共経済学の考え方を導入する。そして真の意味の公正を実現するために、社会的共通資本という概念を中心に据え、そのサービスをいかに分配すべきかを論ずる。私的資本に基づく市場経済制度のメカニズムの解明である近代経済学の抜本的な再検討の上に、人間のための経済学を構築することを目指す情熱の書。
目次
第1部 マクロ経済学の諸問題(経済成長とインフレーション;インフレーションの分析;ケインズ理論の再検討;新しいマクロ経済モデル)
第2部 公共経済学の確立を目指して(市場機構の社会的含意;医療と交通;社会的共通資本の考え方;社会的共通資本の分配;市民の基本的権利;分権的市場経済制度のモデル;最適成長の理論)