家父長制と資本制―マルクス主義フェミニズムの地平

  • ただいまウェブストアではご注文を受け付けておりません。
  • サイズ B6判/ページ数 330,/高さ 20X14cm
  • 商品コード 9784000003339
  • NDC分類 367.2
  • Cコード C0036

出版社内容情報

女と男の新しい関係はいかにあるべきか.内外の膨大な理論的成果をふまえ,豊富な実証的データに基づきながら,近代資本制社会に固有の女性抑圧の構造に光をあてる.フェミニズム研究の一つの到達点を示す必読文献.

内容説明

男と女の新しい関係とは。時代を挑発し続ける著者が全力投球したフェミニズム理論の総決算。

目次

1 理論篇(マルクス主義フェミニズムの問題構制;フェミニストのマルクス主義批判;家事労働論争;家父長制の物質的基礎;再生産様式の理論;再生産の政治;家父長制と資本制の二元論;批判に応えて)
2 分析篇(家父長制と資本制;家族の再編;結び―フェミニスト・オルターナティヴを求めて)
付論 脱工業化とジェンダーの再編成―90年代の家父長制的資本制

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

amanon

7
本書が出て早三十年。この当時席巻したバブルはとっくに遠い過去のものとなり、女性を巡る事情も大きく変わった。よって本書で展開される分析も、今日においてはそぐわない箇所も当然少なからず散見されるが、それゆえにこそ、フェミニズム史を振り返る上で非常に参考になる知見があると思う。また、古色蒼然とも思える言説と同時に今日にも通じる女性を含むマイノリティの問題が本書で鋭く取り上げられているということを見逃してはならない。何かと物議を醸し出し、槍玉にあげられることも多い著者だが、その声に真摯に耳を傾けるべきだと思う。2021/10/13

doni

1
資本制と家父長制下における女性の抑圧の構造と、それに対するフェミニズムの論点・歴史を分析・理論的に説明。時間をかけて精読したので、理解が深まった。と同時に、イデオロギー的でない物質的基盤をもったその抑圧構造を理解した今、女性というひとつの総体に対する見方が変わった。2012/01/28

1
「家事労働」のあたりでもやもやするのは労働価値説のいまいちさに依ってるんじゃないかと思った.後半の分析編とても面白い.イデオロギーの支えがないと(著者のいう)再生産を維持できないのは納得.今になってみると,「再生産を私的領域に遺棄した資本制が,必然的に支払わなければならないツケ」というのが笑えない.2010/09/04

ひなたのひかげ

0
第一章 マルクス主義フェミニズムの問題構制  第三章 家事労働論争

ねぎとろ

0
なぜ「家事労働」概念がフェミニズムにとって決定的に重要なのかが理解できた気がする。特定の誰かや「男」という性ではなく、家父長制というシステムが問題なのだと言っても、反発する人がいるんだろうけども。納得いかないところももちろんあるが、興味深い本ではある。/補論における、ほとんど漫画的な教条マルクス主義者たちの姿が結構笑える。こうした人たちもすっかり姿を消した。/「家父長制の陰謀」といった表現がしばしば出てくるのはなんだかなあ。ほんとに「陰謀」と考えていたとは思わないが、誤解を与える表現ではないか。2011/12/07

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/11834
  • ご注意事項