内容説明
ロベルト・ロッセリーニ、ヴィットリオ・デ・シーカら第二次世界大戦後に一世を風靡したイタリア映画の“ネオ・レアリスモ”に焦点をあて、それらの作品を紹介・批評するとともに、監督論・俳優論、さらには表現技法や映画作りの根本の思想にまで迫る評論集です。
目次
第1章 ロッセリーニとデ・シーカ(ロッセリーニの新作「戦火のかなた」;イギリスで最近公開されたロッセリーニの近作「奇蹟」について;世界的名作デ・シーカの「自転車泥棒」公開近し;ネオ・リアリズムを創り出すものは何か?;「無防備都市」を見る前の参考までに;今年公開を待機する三つのイタリア映画;ロッセリーニの新作「ヨーロッパ一九五一年」について)
第2章 戦後イタリア映画の名作(「平和に生きる」;「靴みがき」についで公開されるイタリアの二名作「荒野の抱擁」と「雲の中の散歩」;「懐かしの日々」とブラゼッティ・タッチ;「オリーブの下に平和はない」の鑑賞方向;ドストエフスキーの短篇「ペテルスブルクの白夜」の映画化;「白夜」と演出者ヴィスコンティ;「狂った夜」のフィーリング)
第3章 注目の男優・女優・監督(映画スターとしてのデ・シーカ;ヴァリがあたえる複雑な魅力について;監督の横顔 アレッサンドロ・ブラゼッティ)
補遺 エトセトラ(オーストリア映画独特の重厚な演出の「白夜の果てに」;戦後十年型やぶりスター十傑;五人をあげてはみたが;戦後ベストテン;批評家選出年度ベストテン選評の言葉)