ハヤカワ文庫SF<br> 華氏451度

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ハヤカワ文庫SF
華氏451度

  • 著者名:レイ・ブラッドベリ【著】/宇野利泰【訳】
  • 価格 ¥680(本体¥619)
  • 早川書房(2012/08発売)
  • 3月の締めくくり!Kinoppy 電子書籍・電子洋書 全点ポイント30倍キャンペーン(~3/31)
  • ポイント 180pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784150116910

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内容説明

「本」が禁じられた世界、焚書官モンターグの仕事は、本を見つけて焼き払うことだった。人々は超小型ラジオや大画面テレビに支配され、本なしで満足に暮らしていたのだ。だが、ふと本を手にしたことから、モンターグの人生は大きく変わっていく……現代文明に対する鋭い批評を秘めた不朽の名作。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ヴェネツィア

427
あらためて言うまでもなく、本書はブラッドベリの代表作の一つである。これをブラッドベリのベスト・ワンに推す人もいるだろう。ただ、この作品はブラッドベリの描き出す独特の幻想世界とは趣きを異にする。あまりブラッドリらしくはないのだ。どちらかといえばオーウエルの描く世界、ことに『1984年』との近接性を思うだろう。つまり、この時期のブラッドベリは文明全体への危機意識を強く持っていたのだろう。焚書の火、都市を焼き尽くすさらに大いなる火。その意味では典型的なディストピア小説だが、そこには対極の火による救いも語られ⇒2015/03/29

藤月はな(灯れ松明の火)

117
読書メーターに記録して4000冊目。そして『PSYCHO-PASS』を読んだのがきっかけで「ディストピア小説を再読しよう」と決めて再読。「焚書をする者はいずれ、人をも焼くであろう」という言葉は現実となった。周りに無関心で貝殻のような通信機を常時、嵌めて架空の家族との時間のみを愉しむミルドレッドや周囲に気持ち悪さを感じてしまいます。むかっ腹が立ったのはダイジェスト版に纏められた本や情報。言の葉の叡智を馬鹿にしているのか!!しかし、「本には肉桂のような香りがする」、「枯葉の匂い」など、共感ある所に救われます。2014/06/14

サンダーバード@怪しいグルメ探検隊・隊鳥

110
過去に読んだ作品で一度手放したのではあるが、どうしてもまた読みたくなって購入。古典が古典として残るにはやはり理由がある。素晴らしい。1953年に書かれた本だが、とても60年前のものとは思えない。すべて書物が禁止された世界、人々は溢れるような与えられた情報のみを無条件に受け入れている。焚書官のモンターグはある少女と出逢ったことをきっかけに自分達の置かれた状況に疑問を持っていく。溢れんばかりの情報が垂れ流されている現代を正に予見した作品。★★★★★2013/05/16

優愛

101
華氏451度、この温度で紙は燃える。思想管理のもと本を読む事が禁じられた社会でその書物の捜索と焼却を任務とする男はある出会いをきっかけに本の虜となるが同時に強い粛清を受ける事になる。「本を読めば同じ狂気の過ちを繰り返さずに済むかもしれないじゃないか!」不適切な表現があろうともそれを鵜呑みにはせず行動に移してはいけないと自制する責任は、表現のもとで読者自身に課せられているのであり表現規制の理由には決してならない。書物が焼き払われても物語を後世に残せる様、人々が本を必死に暗記し守り続ける姿に胸を打たれます。 2017/08/06

tokko

101
色彩を使った描写や比喩表現の多さから詩的な印象を受けた。まるで印象派の絵画を観ているようだった。その表現の柔らかさと、語られる内容の強烈さにギャップを感じる。僕はテレビを捨ててしまったので(その番組内容のあまりの薄っぺらさから)、ブラッドベリの言わんとしていることがよく分かる。佐野眞一さんの解説も含め、読書の大切さを再認識させられた。2011/01/30

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