ななつのこ

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ななつのこ

  • 著者名:加納朋子【著】
  • 価格 ¥440(本体¥400)
  • 東京創元社(2012/04発売)
  • ポイント 4pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784488426019

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内容説明

ファンレターとラブレターは、勢いで出すに限るのだ。――短大に通う十九歳の入江駒子は『ななつのこ』という本を衝動買いし、読了後すぐに作者へファンレターを書こうと思い立つ。先ごろ身辺を騒がせた〈スイカジュース事件〉をまじえて長い手紙を綴ったところ、思いがけなく「お手紙、楽しく拝読致しました」との返事が。さらには、件(くだん)の事件に対する、想像という名の“解決編”が添えられていた! 駒子が語る折節の出来事に打てば響くような絵解きを披露する作家佐伯綾乃、二人の文通めいたやりとりは次第に回を重ねて……。伸びやかな筆致で描かれた、第三回鮎川哲也賞受賞作。

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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

Tetchy

478
それぞれの短編はいまどき珍しい純粋かつ甘酸っぱい物語。読み進めるにつれて謎のスケールが小さく萎んでいっているように感じた。いや正しく表現するならば、日常の謎よりも駒子を取巻く人物達の物語を描く事に力点がシフトしていったように感じた。しかしやはりオーソドックスとは思いつつ、この設定はやはり鉄板。特に加納氏の少女趣味溢れる物語構成とこのプロットは相乗効果で、実に心温まるお話となっている。これを読んだ女子中高生なんぞは本書を平成版「あしながおじさん」として永遠に心に刻まれるのではないだろうか。2010/05/03

さてさて

388
主人公の入江駒子が見つけた「ななつのこ」という短編集が小説内小説として登場するこの作品。私達の周りは思った以上に”なぜ?”に満ち溢れています。一方で、日々忙しい私達は、そんな”なぜ?”を十分に解決せぬままに時を過ごしてしまい”なぜ?”が”なぜ?”のままに終わってしまっていることも多々あると思います。そんな身近な”なぜ?”に正面から向き合ったこの作品。なるほどそういうことか!そうだったんだ!と解き明かされていくそれぞれの結末に、気分スッキリ!後味スッキリ!な気持ちにさせてくれた優しさに満ち溢れた作品でした。2021/04/17

佐々陽太朗(K.Tsubota)

353
初・加納朋子さんです。厳密に言うとアンソロジーで短編「ささらさや」を読んだことがあるのでセカンドかもしれないが。「ささらさや」がとてもよかったのでずっと気になっていた作家さんです。ものすごくよかったです。心から良い本に出会ったと言えます。いつの間にか日常の謎に心惹かれ作品世界にひきこまれている。しかもその世界は何ともなつかしく、あたたかく、せつなくもある快いところなのだ。誰かから「あなたのお薦めの本は何ですか?」と尋ねられたら、きっとこの本をそのうちの一つに揚げると思う。2014/05/17

hiro

343
初加納朋子作品。日常ミステリーの連作短編集。この作品が加納さんのデビュー作とは驚きだ。もちろん、読めば鮎川哲也賞受賞も納得する。作中作の日常ミステリー『ななつのこ』がこの連作短編集をつなぎ、主人公駒子の『ななつのこ』作者綾乃へのファンレターにより、駒子の周りに起こる日常の謎を提供し、綾乃の返信のよるその謎の解決という一部書簡体小説のような謎解き、さらに最後にどんでん返しが待ち受けているという本当に見事な構成だ。期待して、続けて駒子シリーズを読んでみようと思う。2012/01/26

三代目 びあだいまおう

311
とても優しく温かな雰囲気。『ななつのこ』という、表紙の素敵な本に惚込み作者にファンレターを送る駒子。作品の中に登場する、日常のささやかな謎と推理、それに共感した感想と合わせ、駒子自身が体験した日常のささやかな謎をファンレターに織り込んだ。意外にも憧れの作者から丁寧な返事が。しかも謎への推理も添えて!そこから手紙のやり取りを交えた短編が続き最終章で綺麗に纏まります。私達はとかく固定観念や既成概念を抱き周囲と接しがち。読後は、周りに対して少しおおらかに寄り添えるようになれた気がする。著者の優しさが滲む‼️🙇2020/01/29

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