内容説明
障害者にとって自立と旅とは!?近代社会では、障害者ばかりでなく健常者にとってもまた、労働を基準とする窮屈な世界だったのではなかったか。そして現代の労働・教育・福祉の社会のなかで弱者のレッテルを貼られた人びとの自立の困難さは増大したのではなかったか。労働・真面目の原理に覆い尽くされた近・現代社会を批判し、遊びや文化をとおして人類の歴史を考察する視点には、旅行や観光が障害者の自立に重要な役割を果たす可能性もある。
目次
第1部 漂泊者から弱者へ(前産業期日本の漂泊と定住;前産業社会における障害者の生活;産業社会と漂泊者としての障害者の消滅 ほか)
第2部 障害者旅行の展開と研究(障害者旅行の着目 1980年代;障害者旅行への対応;世界の動向 ほか)
第3部 障害者旅行に関する実証的研究(自立を考える視点;シルバースター登録旅館への量的調査;見学・聞きとり調査 ほか)
著者等紹介
根橋正一[ネバシショウイチ]
1950年長野県生まれ。1975年東洋大学社会学部卒業。1977年東洋大学大学院修士課程社会学研究科修了。1983年筑波大学大学院博士課程社会科学研究科単位取得退学。博士(社会学)。1993年流通経済大学社会学部助教授。現在、同教授
井上寛[イノウエヒロシ]
1978年千葉県生まれ。2001年流通経済大学社会学部卒業。2003年流通経済大学大学院社会学研究科修士課程修了。現在、流通経済大学大学院社会学研究科博士後期課程在学
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。