内容説明
本書では、主として文献学的・書誌学的な見地から、エンゲルス編集原稿の「成立と伝承Entstehung und U¨berlieferung」に関わる諸問題、この編集原稿の基本的な性格づけ、MEGA巻への組み込みにいたる経緯、MEGA巻としての編集作業の事実経過と、その過程で生じたさまざまな論議、ならびにこの編集原稿の内容に関わる多くの問題点のうちのいくつかを取り上げ、整理と展開を試みた。
目次
序論 対象と問題の所在(エンゲルス編集原稿の成立過程とその問題点―エンゲルスの書簡を中心に)
第1篇 エンゲルス編集原稿の位置づけとMEGAへの取り込みの経緯(MEGA編集構想の中でのエンゲルス編集原稿の位置づけ―“Druckvorlage”から“Redaktionsmanuskript”へ;MEGA2 2/12、13巻の日本における編集の引き受け ほか)
第2篇 エンゲルスによる編集過程の諸問題(エンゲルス編集原稿における「二重のページづけ」と編集作業の諸段階;オスカル・アイゼンガルテンのプロフィルとエンゲルス編集原稿成立への貢献 ほか)
第3篇 エンゲルス編集原稿の内容上の諸問題(「異文一覧」と「乖離一覧」との組み合わせから見えてくるもの;エンゲルスによる「流通資本Cirkulationskapital」カテゴリーの設定 ほか)
結論 残された課題と展望(「マルクス―エンゲルス問題」との関わり―到達点と残された諸問題)
著者等紹介
早坂啓造[ハヤサカケイゾウ]
1932年東京に生まれる。1960年東北大学大学院経済学研究科博士課程単位取得中退。北海道瀬棚高等学校、水戸短期大学、岩手大学教養部、同人文社会科学部にて、教鞭を執る。1998年定年退職。岩手大学名誉教授。2002年経済学博士
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