内容説明
著者は、平成十一年四月、東京で開催された第二五回日本医学会総会の特別講演で「公衆衛生の責任」という講演を行った。さらにその後、同年五月、盛岡市で行われた第三八回日本消化器集団検診学会総会の特別講演で「がん検診を科学する」と題した講演、同年二月に札幌市で行われた北海道医師会主催の講習会で、今盛んに言われている「Evidence Based Medicine & Health Careについて」と題した講演、また、同年十一月十九日、名古屋市で開催された衛生学公衆衛生学教育協議会と公立大学衛生・公衆衛生学協議会共催シンポジウムで特別講演「衛生学・公衆衛生学研究・教育の将来像」、さらに遡るが、平成十年、宮城県古川市で行った講演「二十一世紀の保健・医療・福祉を語る」と題した講演を行った。本著は、これら五つの講演を整理し、厚生省の研究班の成果や最近の社会の事情も加味して記述したものである。
目次
第1章 公衆衛生の範囲
第2章 わが国における公衆衛生の責任
第3章 エビデンス・ベースド・メデイシン(EBM)について
第4章 医学判断学
第5章 最近の疫学の動向
第6章 論文の質と量
第7章 がん検診を科学する
第8章 人を対象とする研究の倫理性と科学性
第9章 メタアナリシスとは
第10章 臨床医の責任
第11章 国民の責任
第12章 二十一世紀の保健・医療・福祉を語る
第13章 健康日本二十一計画