内容説明
「宗教とはウソから出た真実(マコト)である」。仏教の大学の講座で養老博士が語る、本気で生きることとは…。
目次
第1章 私と宗教の関係
第2章 科学の結論がお経だった
第3章 「全知全能」と「やぶの中」
第4章 マスメディアが言葉を軽くした
第5章 真っ赤なウソ
第6章 死ぬことと、本気で生きること
第7章 人間の欲望には限りがない
著者等紹介
養老孟司[ヨウロウタケシ]
1937年神奈川県鎌倉市に生まれる。1962年東京大学医学部卒業後、解剖学教室に入る。以後解剖学を専攻。1995年東京大学医学部教授を退官し、現在、北里大学教授、東京大学名誉教授、大正大学客員教授
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感想・レビュー
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ちさと
28
「真っ赤なウソを集めたものが宗教であり、その一極集中が絶対者としての神である。」というのがタイトルの趣旨。理系のお医者さんが宗教の役割を語るとこうなるのか。養老さんって学生時代はキリスト教系の学校に通ってそうですが、今は仏教系の幼稚園やってるので仏教の考えに近いんですね。諸行無常の言葉通り、人間は常に変化していくものだぞ、ということを繰り返し仰っていました。要は著書「バカの壁」の繰り返しですが、こっちの方が読みやすい気がする。年末年始なので老人のお説教も、悪くないかな。2023/01/04
三浦郁子
7
人知れずやることがボランティアであって、就職のためにやってるのなら社会奉仕とか別の言葉にするべきだ。悩むのも才能のうち。むしろ悩まない人に困った人が多い。倫理とは本来個人的なものであり「倫理マニュアル」というものは倫理ではなく規則である。無神論者が反発しているのは宗教そのものではなく、宗教組織に対してである。など、感心しつつ読んだ。2023/02/10
nizimasu
5
よくよく考えると仏教を心や人生の科学としての側面について着目していたのが養老先生だったのかとふと思い至る。脳と幸福論から仏教へ、そして神話世界などへの見えないものへの興味というここ数年の変遷を考えるとそのナビ役が先生だったなあとおもい至る本。唯脳論からバカの壁に連なる思索の変遷を振り返りつつ脳と自然の問題とかオウム真理教の問題とかも代は止めどもないが大きく影響を受けてきた。あらためてこの講演録でも養老ワールドにつかるばかり。かくも思索は楽しいという典型でもある2017/01/07
noko
4
養老先生は好きなのに、なぜか本になるとあまり合わない。いいことは分からないように、見えないようにやれ、誰も見ていないと思っていても、お天道様が見ているから。以心伝心はあからさまに言わないで、互いにわかっていく、これが日本的なある種の優しさでもあった。親子やパートナーとならば、以心伝心で良いだろうが、他人となるとあらぬ誤解をうみそうで、私は過剰になってしまう。社会が一つの方向に漂流してしまうときこそ、それを食い止めるのが宗教の役割。昨今宗教の働きがあまり良くない。この本は宗教的な話が多かった。2024/04/10
ははは
4
「いいことは人に知られないようにやりなさい」わかるけど・・全く知られないのもね〜〜2017/02/12