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内容説明
わたしたちがお別れするときも必ず餃子をつくるからね。
目次
1 河北省編(老師的恋;北京の女人;ゆりかごの村 ほか)
2 黄土高原編(雨乞いの夏;村の女たち、男たち;黄河治水局のおじさん ほか)
3 番外編(頑固じいさんと影絵芝居;かくも長き一八年;パリの台湾人 ほか)
著者等紹介
井口淳子[イグチジュンコ]
専門は音楽学、民族音楽学。大阪音楽大学音楽学部教授。大阪大学大学院文学研究科博士課程単位取得、文学博士。主な研究テーマは中国の音楽・芸能、近代アジアの洋楽受容(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
サケ太
19
非常に味わい深いエッセイ。「民族音楽学」の著者がフィールド調査で出会った人物や出来事が描かれるが、農村部という全く知らない世界の一端が触れられて良かった。そこに生きる「人」がいる。その交流、生き方は読んでて楽しく、温かみのあるイラストも素敵。書店で見かけたら装丁だけでも確認してみてほしい本。2021/12/31
チェアー
10
「やさしさ」の概念が日本と中国では違う。中国でのやさしさは具体的で、言葉だけではない実体に近づくようなやさしさなのだと思う。あなたのためになることをしたい、というやさしさだ。だから、離れる時にはふんわりした感情以上の強い気持ちを持つのだろう。 「人(レン)」から始まっているのだ。 人が人を思い、思いが深まってゆく様子が中国の農村風景と、その地で生きてきた人々の姿を通して描かれている。読んでいて、心が膨らんでいくようだ。イラスト(佐々木優)も文章に合う。とてもよい本。2022/08/07
もち
5
めちゃくちゃおもしろかった! 郷土文学に触れたことがあるので、よりおもしろかったんだと思う。もっといろいろ周辺に当たりたい。2022/05/18
オムロン
3
民族音楽学の教授の著者。80年代から中国の田舎でフィールドワークしてきた。そのとき出会った人の記録。装丁のかわいらしさからかなり期待して読んだ。とてもいい本。少しだけ自分が期待していたところとは違った面白さだった。この本で書かれているのは「人」。音楽や料理というよりも人との出会い。私個人として、これから出会う人、これまで出会った人、人との関係のあり方、その変化について。自分ならどうだろうと、そんなことを思った。2023/08/30
zozomu
2
中国の北方には「送行餃子、迎客麺」(麺は初めて会ったときに、餃子はお別れのときにつくる)習慣があるという。30年以上、中国で民族音楽・芸能のフィールドワークに取り組んできた著者による出会いと別れの記録。 大学生の頃に『スヌーピーたちのアメリカ』を読んだときの気持ちとつながる感銘を受けた。その国の人々がイメージの前提で括られず、ただ個の「人間」として登場する。いじわるなひとも優しいひともいてみんなエネルギッシュに生きている。こういう本に出会うと嬉しくなる。2023/02/18