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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ほう
3
親たちを見送り、夫を見送り、子供達を育て上げた祖母の妙子と、その孫の高校生になった理沙との往復書簡の話し。戦争をくぐり抜け、大所帯を切り盛りしてきた妙子は、愛情溢れる人で、またその周りの人達もそうだったのだろう。懐深く清々しい人柄が、手紙の端々に表れている。そして理沙もまた、明るく溌剌とした少女である事がよくわかる。「キャンパスの木の緑が日毎に濃くなっていくよ。木によって色が違うよ」と書く手紙の感性を、妙子がちゃんと受け止める所が微笑ましい。2020/03/07
のの
2
妙ちゃんと理沙の関係(南部家全体の関係も)がとってもいい。私が理沙の年代の頃、同じ家にいて、毎日顔を合わせていたのに、祖母との会話はあまりなかった。でも、とても可愛がってくれていたように思う。今思えば、もっと会話をしておけば良かったと思う。妙ちゃんの手紙に出てくる著名人の作品にも関心がわきました。"15ノココロ"を振り返った時間でした。2020/02/01
matsu2015
1
昭和一桁生まれのおばあちゃんは、嫁いだ瞬間に大家族の面倒を一手に担った。おばあちゃんにとっての両親、義両親が死ぬまでの世話。今みたいに人生を好き勝手に、なんてできない時代の中、生き抜いた人と高校一年生になる孫との交流。自分の祖母も同じような境遇で、一生懸命周りに尽くして尽くして今は、梅干しみたいにしわしわになっている。妙子が神様みたいだのくだりは、本当に祖母ってそういう存在だよなと思えた。自分は大のおばあちゃん子だからなおさら。最後の部分は、読み始めてすぐに想像ができていたけれど、うるっとしてしまった。2020/02/11
くま美
0
おばあちゃんと孫の心温まる手紙のやり取り。ラインでやりとりが出来るところを手紙というのが温かい。2022/04/13
きみどり
0
リアルというか理想というか。とてもいいお話でした。婆と孫娘の書簡、現代ではもうあまりないかな?私は田舎の婆と文通していた世代だし、もう一人の婆とも近しく関わっていたから、感じるものがたくさんありました。こういうやり取りが、現代でもどこかで細やかに行われているといいな。 感情移入しやすいエピソードも多く、これは読書感想文も書きやすいかもしれない。2021/07/04