内容説明
認知症になったおばあちゃんと、現実を受け入れ成長していく小学5年生の辰子。連載時から大きな反響を呼んだ、朝日小学生新聞の連載小説。朝日学生新聞社児童文学賞第9回受賞作。
著者等紹介
緒川さよ[オガワサヨ]
1978年、静岡県生まれ。日本大学芸術学部卒業。教育系の会社で働きながら、小説を書いている
久永フミノ[ヒサナガフミノ]
イラストレーター。『ガラスのベーゴマ』(朝日学生新聞社)など児童向け書籍をはじめとして、雑誌でもカットイラストを手がける(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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どら母 学校図書館を考える
22
特殊な世界が舞台だからか、ただの認知症の祖母と孫という話でなく、面白かった。絵が内容に合わないけれど、これも流行りなのかな。 辰子という、今どき古めかしい女の子と家族、友達の話。辰子は、ヤングケアラーといってもいいかな2021/08/24
頼ちゃん
14
児童書なので、実際はこうきれいごとだけですまされないよ、と思うところもあるが、それでもよかった。わすれてもいいよっていいな。最後は涙が出た。主人公の女の子が本当にいい子。2019/12/05
kolion
7
歌舞伎の世界と認知症をテーマにした物語。認知症というとマイナスイメージだけのようだが、大好きなおばあちゃんの認知症を受け入れることで、誰に見られても平気という気持ちになれた辰子が眩しく描かれていた。が、現実はこんなふうにはいかない。だから、誰もが苦しくなる。好きだった人の変わりゆく姿に戸惑い、辛くて目を背ける。児童書という体裁が現実から目を背けていないだろうか?2020/01/07
ネジとサビ
7
会話が多く、サラリと読みやすい。 YA向けの本を久しぶりに読むと、心底ひどい人が出てこないから、何となく現実こうではないよなぁと、物足りなさを感じるけど、こんなご時世だからこそ、温かい気持ちになれるこの本を紹介する意味があるのかもしれない。 認知症介護、こんなにきれい事ばかりじゃないけど、それでも夢を見させてくれ、ホロリとする良い本だった。2019/09/15
言々
3
忘れてもいいよって…優しい言葉だなと素直に思った。題名にひかれて読む。認知症の斑な状態の祖母と孫のやりとりの物語。自分の名前が親族の誰より新しい記憶だから最初に忘れられてるのは、分かってても寂しく思ってしまう。でも、ぴんしゃんしていたかつての祖母を知る人たちを前にして認知症を隠したくなる気持も、ありのままの老いていく祖母を見守る気持ちも、どちらも本物だから切ない。子供向けの本だけど、結構考えさせられた。2019/05/13