内容説明
このデジタル時代にボードゲームはほとんど太古のものに見える一方、ドイツ様式ボードゲームとしても知られるユーロゲームは、ビデオゲームの興隆と時をほぼ同じくして人気の上昇を見せている。ユーロゲームは単純なルールと短いプレイ時間の中で、運や闘争よりも戦略に重点を置いている。本書ではユーロゲームの形式、それを取り巻くホビイスト文化、そしてそのようなゲームのプレイをホビイストが体験するありかたについて考察する。卓上ホビーゲーミングの進化の歴史を振り返った後、なぜホビイストはユーロゲームをプレイするのか、いかにしてプレイヤーは競争的遊びと親密な社交的集まりという要求との間でバランスを取っているのか、ゲームの出会いの社交的文脈がどれほどプレイ体験を形作るものなのか、探究する。この創造的な仕事は、歴史とカルチュラルスタディーズとレジャー研究とルドロジーと遊び理論を結びつけ、このゲーミングコミュニティにおける新しいトレンドに光を当てている。
目次
序章
第1章 ホビーゲームの概要
第2章 アングロ=アメリカン・ホビー・ボードゲーム 1960‐1995
第3章 社交ゲーム―ドイツにおけるゲーミング
第4章 ドイツゲームからユーロゲームへ
第5章 ユーロゲーム・ジャンル
第6章 ホビーゲーマー
第7章 プレイの快
第8章 目標と結果
第9章 切り離された行為?
結び
付録:ユーロゲームの複合的要素
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
iwtn_
4
カタンなどに代表されるボードゲームをユーロゲームと分類し、それ自身の特徴やプレーヤーについて語った本。元が論文なせいもあるのか、参考文献や人名・地名などが日本語になっていないので少し読み辛い、が十分面白い内容。 闘争よりは競争、相手を直接打ち負かすよりは富の蓄積をより目的として重要視し、舞台は歴史モノが多いユーロゲーム。確かに戦争物は少ないなぁと思っていた。また、プレーヤーが男性かつ比較的高学歴に偏っていること、メタゲームへの言及など、それなりにプレイしていた人なら頷くことも多い。良い本を翻訳してくれた。2021/10/15
Go Extreme
1
ホビーゲームの概要:アブストラクトを超えてーボードゲームと卓上ゲームの分類 アングロ=アメリカン・ホビー・ボードゲーム 1960‐1995:現代ユーロゲームの起源 社交ゲーム―ドイツにおけるゲーミング:世界の玩具のスト ゲームとドイツのメディア ドイツゲームからユーロゲームへ:初期ドイツゲーム カタンの開拓者たち ユーロゲーム・ジャンル:応用ゲーム学におけるゲーム要素 ホビーゲーマー:教育 国籍 商業 プレイ習慣 ゲーマー・ギーく プレイの快 目標と結果 切り離された行為? ユーロゲームの複合的要素2021/11/24
Jey.P.
0
ユーロゲームの歴史・特徴・プレイヤーの特徴・どのような点に快を感じるか、など 意思決定を好み、リプレイ性を最重視するのに、実際にはあまり繰り返してプレイしないというのは面白い 意思決定はリプレイ性が低いというのが現実だろう もしかしたら意思決定の空間の深さより、分かっていく感覚が欲しいのかもしれない 創発型と見せかけた進行型が好まれるのかも2021/10/12