内容説明
いま注目され始めた「修復的司法」。加害者と被害者の直接対面・被害者への真剣な謝罪と賠償を本質的要素とするこの方式は、司法の場で忘れられがちであった犯罪被害者の問題を直視すると同時に犯罪者の立ち直りを援助し、社会から犯罪を減少させるための方策とした、現在世界の多くの国々で試みられている。近い将来、犯罪事件解決の基本的方式となるであろう修復的司法を現在最も徹底して採用しているニュージーランドでの実践例が臨場感をもって紹介されている。
目次
第1部 (司法を役立つものにすること;修復的司法=マオリの見地 ほか)
第2部コミュニティ・グループ会議の手続の要約(フランクが性的虐待を犯した事例;ヴェロニカが使用人窃盗を犯した事例 ほか)
第3部 修復的司法の五つの判決(ロデリック・ジョイス裁判官―加重暴行;ジョン・ハンセン裁判官―加重窃盗、殺害の脅迫 ほか)
著者等紹介
コンセディーン,ジム[コンセディーン,ジム][Consedine,Jim]
国際的に知られ、尊敬されている司法改革の運動家。20年間以上もニュージーランドの刑務所の教誨師であったが、現在は、修復的司法ネットワークのコーディネーターである。経済・人種差別・刑事司法と霊的な問題にかんする多くのペーパーを国際的に出版
ボーエン,ヘレン[ボーエン,ヘレン][Bowen,Helen]
若者弁護士と刑事弁護士。オタゴ大学でLLBの学位を得た後、法廷弁護士(barrister)に任じられた。若者裁判所の管轄区で600以上の家族グループ会議に出席。1994年以来、多くの成人の修復的司法の会議に協力。テ・オリテンガ修復的司法グループのメンバーであり、裁判に替わるもののコーディネーターでもある
前野育三[マエノイクゾウ]
関西学院大学法学部教授。研究分野は近年は修復的司法
高橋貞彦[タカハシサダヒコ]
近畿大学法学部教授。研究分野は刑罰の歴史、最近は『修復的司法』
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