内容説明
地理的フロンティアとともに喪われた「美徳の共和国」…。『風と共に去りぬ』から『大地』まで、アメリカの小説は、理想への郷愁をどのように物語り続けたのか。ポピュラー・カルチャーから読むアメリカという共同幻想。
目次
序章
1 センチメンタリズム再考―二人のアメリカニストをめぐって
2 本を読む少女たち―「物書きの女ども」のアメリカ
3 家庭という女性の領域―『セント・エルモ』のドメスティック・イデオロギー
4 リアリストの栄光と苦悩―W・D・ハウエルズ再読(1)
5 失われたフロンティア―W・D・ハウエルズ再読(2)
6 センチメンタルなリアリストたち―ハロルド・フレデリックとシンクレア・ルイス
7 アングロサクソン的美徳の伝統―トマス・ディクソンとその周辺
8 幸福の谷を索めて―ジャック・ロンドンの場合
9 大地を耕す者たち―アンドルー・ライトルを読む(1)
10 南部作家の現実意識―アンドルー・ライトルを読む(2)
11 ベストセラー小説のアメリカ的主題―『酒場での十夜』から『大地』まで
12 スーパーヒーロー登場―美徳の共和国のために