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戦うことに意味はあるのか―倫理学的横断への試み

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  • サイズ 46判/ページ数 382p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784907192471
  • NDC分類 319.8
  • Cコード C3012

出版社内容情報

【内容紹介】
この世界に生まれ落ちたのは、誰にとっても偶さかのことである。他でもありえたのに、なぜかこうして生きるわれわれが、その世界で自分と戦い、他人と戦い、あるいは超越者とさえ戦う。社会や技術、物と戦うこともある。
これらの戦いなしに、われわれは偶さかの生を祝することはできないのか?
われわれ人間は、戦いから逃れえないのか……。
本書でとりあげた哲学者や作家、作品からの問いである。
読者のみなさんが、各章の執筆者たちとともに、それらの問いをみずから吟味してくれたとすれば、執筆者一同、これ以上の喜びはない。
*
常磐線が走る初秋の福島沿岸を表紙絵にした本書『戦うことに意味はあるのか――倫理学的横断への試み――』は、福島県夜ノ森駅の桜が表紙絵の前作『生きることに責任はあるのか――現象学的倫理学への試み――』につづく、政治哲学論集である。
死すべき人間たちがひとときをこの世界に住まうその仕方(=エートス)を問う学知が「倫理学」だとすれば、その観点から「真・善・美・正」を問う四部作構想の一つを占めるのが、本書と前作であった。それぞれ「正」と「善」にかかわる。
福島の「春・夏・秋・冬」を描いた松本忠氏の鉄道絵画とともに、四部作の一つ一つをご高覧いただきたい。

【目次】
序 章 多様な戦争をめぐる形而上学とプラグマティズム …横地 徳広
第1章 悲劇の果てにある悲劇 ――ヘルダーリンの『アンティゴネーへの註解』の核心 …持田 睦
コラム1 シエナ共和国政庁に描かれた「戦争と平和」 ――アンブロージョ・ロレンツェッティ作《善政と悪政の寓意およびその効果》を中心に …出 佳奈子
第2章 オルサンミケーレのタベルナーコロ ――悪疫の克服をめぐって …出 佳奈子
コラム2 正戦論と永遠平和論 ――中世からカントへ …宮村 悠介
第3章 ホッブズ的人間のゆくえ ――人格の倫理学のために …宮村 悠介
コラム3 もう一つの永遠平和論 ――カントから二十世紀へ …宮村 悠介
第4章 「傷跡」の光景 ――ユイレとストローブの映画『ロートリンゲン!』の分析 …持田 睦
コラム4 フランツ・ローゼンツヴァイクと第一次世界大戦 ――『ヘーゲルと国家』から『救済の星』へ …佐藤 香織
第5章 アイヒマン論、再考 ――アレント政治思想の一部として …横地 徳広
コラム5 「デグラスって何かしら?」 ――ゴダールの『勝手にしやがれ』におけるパトリシアの闘い …持田 睦
第6章 レヴィナスの平和論とその時間構造 ――『全体性と無限』における「繁殖性」 …佐藤 香織
コラム6 私は誰なのか? ――人造人間のナラトロジー …横地 徳広
第7章 アメリカ公民権運動と新たな日常的共存 ――スマート・パワー概念のネガを確かめる …横地 徳広
終 章 本書を概観して ――受容と排除の観点から …持田 睦

内容説明

道之本原、存養省察、聖神功化。未見、未聞を恐れ、自分自身を慎む。戦いの詐術にだまされないために。

目次

序章 多様な戦争をめぐる形而上学とプラグマティズム
第1章 悲劇の果てにある悲劇―ヘルダーリンの『アンティゴネーへの註解』の核心
第2章 オルサンミケーレのタベルナーコロ―悪疫の克服をめぐって
第3章 ホッブズ的人間のゆくえ―人格の倫理学のために
第4章 「傷跡」の光景―ユイレとストローブの映画『ロートリンゲン!』の分析
第5章 アイヒマン論、再考―アレント政治思想の一部として
第6章 レヴィナスの平和論とその時間構造―『全体性と無限』における「繁殖性」
第7章 アメリカ公民権運動と新たな日常的共存―スマート・パワー概念のネガを確かめる
終章 本書を概観して―受容と排除の観点から

著者等紹介

持田睦[モチダマコト]
1999年京都大学大学院人間・環境学研究科博士後期課程中退。現在、河合塾講師、演出家。専攻は創造行為論

横地徳広[ヨコチノリヒロ]
2007年東北大学大学院文学研究科博士後期課程修了。博士(文学)。現在、弘前大学准教授。専攻は倫理学・現象学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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