内容説明
陳凱歌、張芸謀、侯孝賢、楊徳昌、王家衛…。中国、台湾、香港出身で、二〇世紀末の国際映画祭を席巻した監督たちは、いずれも戦後生まれながら、例外なく日中戦争のトラウマを作品に映し出していた。そして二一世紀。中国の馮小剛、台湾の魏徳聖が生み出した記録的大ヒット作のクライマックスシーンで日本語の歌が流れ、観客の心を癒やした。日本と中国語圏の近現代史を映画によって読み直す。
目次
プロローグ 中国語映画に響く日本語の歌
第1章 中国戦争映画の「日本鬼子」
第2章 台湾映画の日本家屋という亡霊
第3章 香港映画の「荒唐無稽」な日本
第4章 中国映画と高倉健
第5章 台湾映画と「別れの手紙」
エピローグ 映画が癒やす戦争のトラウマ
著者等紹介
林ひふみ[ハヤシヒフミ]
東京生まれ。早稲田大学政治経済学部卒。朝日新聞記者、亜州週刊(香港)特派員を経て、中文コラムニスト(筆名:新井一二三)。2008年より明治大学理工学部総合文化教室准教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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