内容説明
なぜ信用不安がユーロ圏に集中したのか?なぜユーロ圏の財政金融政策は金融危機に対応できないのか?ユーロ圏の国債バブル、欧州銀行の不良資産問題、ユーロ圏銀行のドル依存症から、危機の本質を解明。冷静かつ論理的に、危機回避のシナリオと日本の行くべき道も提示する。
目次
前編 ユーロ国債バブルの内実(オリンポスの神々の怒りにふれたギリシャ財政統計改ざん―イソップ物語のキリギリスならぬ“ギリギリス”の債務棒引きマラソン協議;国債バブルを煽る結果となった統一通貨ユーロの導入―仕組みがソックリさんのサブプライム証券とユーロ国債;欧州ソブリン債問題の根因―信用リスクの過小評価のくり返し;国際市場の流動性危機が銀行危機、国家財政の破綻の危機に至るみちすじ)
中編 ユーロ圏の銀行の内憂外患―ぬぐえない過小資本とドル依存の体質(ユーロ圏ではサブプライム問題と国債バブルが同時進行―「みんなで借りればこわくない」の世界的信用膨張;「グローバル・インバランス」の深層―グローバル・インバランスとグローバル・フィナンシャル・インバランスのちがい;ユーロ圏の銀行の自己資本は“うす皮饅頭”―“毒入り資産”が飛び出し、“破れまんじゅう”へ;欧州中銀ECBは本当に中央銀行?―金融危機の最中に「最後の貸し手」を拒む体質)
後編 本格化したユーロ危機対策と日本(欧州中銀ECBにスーパーマリオが登場―マネーの“万里の長城”にすえた巨砲がユーロ信用不安を解消;イタリアのスーパーマリオは2トップ―「国家債務の鉄のカーテン」を取り払うキーマン;アイルランドはギリシャ問題解決の手本―銀行危機・国家債務危機のダブル・ショックから甦る“ケルトの虎”;日本にまったく見あたらないユーロ危機の要因―だが、対岸の火事の火の粉は軒先に)
著者等紹介
米倉茂[ヨネクラシゲル]
経済学博士(東京大学)。1950年、鹿児島県生まれ。83年東京大学大学院経済学研究科博士課程単位取得退学。87年に佐賀大学経済学部助教授、98年同学部教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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