渚にて あの日からの<みちのく怪談>

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  • サイズ B5判
  • 商品コード 9784904863534
  • Cコード C0093

出版社内容情報

鎮魂と哀惜──東日本大震災、東北の作家たちが綴った海辺の怪異譚。
体験談、採話、創作とさまざまな「震災怪談」45篇を収録。私たちとともに生きる〈亡き人〉たちの物語を、いまこそ。
 
【収録作家】書き下ろしを含む10人の作家45作品を収録!

・黒木あるじ(『無惨百物語 ゆるさない』など)
・勝山海百合(『さざなみの国』など)
・小田イ輔(『実話コレクション 忌怪談』など)
・郷内心瞳(『拝み屋怪談 逆さ稲荷』など)
・阿部喜和子(『龍の琵琶』など)
・須藤文音(共著『地震のはなしを聞きに行く 父はなぜ死んだのか』)
・崩木十弐(共著『怪談実話コレクション 阿鼻叫喚の開幕編』)
・根多加良(共著『超短編の世界』)
・鷲羽大介(共著『皿屋敷 幽霊お菊と皿と井戸』)
・ジャパコミ(『みちのく怪談コンテスト傑作選2011』等に作品収録)

【解説】 東雅夫(アンソロジスト・文芸評論家・怪談専門誌『幽』編集顧問)
【編】 東北怪談同盟

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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ネムコ

38
今まで聞いたことのない震災の話。それは怪談だからではなく、本当のその土地に生きていた人々の本音。「あぁ俺? 引っ越すよ。頑張ろうだの絆だの、降って湧いたみでぇに文句に酔っぱらってる町さ居だぐねぇよ」。きっとこんな風に感じて、苛立つ人だって少なくないと思う。また一方、連れ合いの位牌が津波を押し止めてくれた「見えざる壁」や、逃げ遅れた愛猫を見事探し当て、妻の手に託した旦那さんのお話「チェシャ」など、良いお話もあって涙がぽろぽろ零れました。電車で読むのは要注意。2017/04/17

澤水月

28
震災怪談は最近になって書かれたわけでなく発生数ヶ月で蒐集し書いていた者らがいた。個人的にはトップの黒木あるじをラストにするように読むこと勧める。深い余韻残す。黒木氏は再録(プレイボーイ発表のも)、全書き下ろしは郷内氏。前半にいわゆる実話怪談筆者。お父上亡くされた須藤さんの文は身にしみる…後半これまでみちのく怪談入選者SF創作などかなり毛色が違うもの。実話怪談を求める向きには実質半量だし順番どうにかならなかったのか…印税は熊本地震へ、お布施と思い買ったが。本当に黒木氏が一頭図抜けている(オリジナル登録から 2017/09/14

はじめさん

24
東北在住・出身の作家たちが取材により聞いた話や創作なんかを集めて一冊にーーネタは311東日本大震災。「あの日」の前兆や、それ以降の街で囁かれる怪談。/ 死のターミナル駅・恐山がある事もあり、東北の人たちにとって死の世界は意外と近くにあるという精神風土…絆、つながろう、復興! と震災後に叫んでも、震災前に別に仲良くなかった人と、大変だからお互い助けあいましょう…ってのも無理な話と、街を出る人も多数。瓦礫は撤去され、整地された場所に出現する幽霊話。/ 当時深夜TVで流れる伝言見てこの国どうなんねんとなったな…2019/07/28

Ex libris 毒餃子

13
怪談を通じて心の平衡を保ったり、慰めを行う作業を感じる。2022/03/05

ぶうたん

12
震災をテーマにした実話怪談集だが、そこには怖さは無く、あるのはただ悲しみだけと言う本。本書の中でも語られているが、我々が通常読むのは実話と言っても何処の誰か知らない幽霊たちで、だからこそ恐怖を感じるのだが、ここでは家族であり友人であり会えるのは寧ろ喜びで、恐怖は微塵も存在しない。そんな本を読んで怖いわけが無いので、怪談集と言うのも憚られるが、怪談好きとしてはこう言う本もあることは肝に命じておきたい。あんな事があると、現実の世界と幽冥の世界の薄い膜が破れて境目がわからなくなってしまうのかもしれませんね。2017/11/15

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