内容説明
アメリカという鏡に映して、仏教を、宗教を、見つめなおす力作。
目次
序章 伸びるアメリカ仏教
第1章 現状―仏教人口と種類
第2章 浸透―一般社会
第3章 歴史―十大出来事
第4章 特徴―アジアの仏教と比較して
第5章 解釈―アメリカへの同化
第6章 原因―全体の伸び
結び 仏教も変わる、アメリカも変わる
著者等紹介
タナカ,ケネス[タナカ,ケネス][Tanaka,Kenneth]
1947年山口県生まれ。日系二世の両親を持ち、カリフォルニア州サンフランシスコ付近で育つ。国籍アメリカ。スタンフォード大学(文化人類学、学士)。Institute of Buddhist Studies、(仏教学、修士)。東京大学(印度哲学、修士)。カリフォルニア大学、バークレー校(仏教学、哲学博士)。Institute of Buddhist Studies(Berkeley、California)准教授及びカリフォルニア州南アラメダ仏教会駐在開教使を経て、1998年より武蔵野大学教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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出世八五郎
18
アメリカに仏教が紹介されてからの“流れ”歴史と内容を叙述した書。アメリカ仏教徒人口は日本人口比における1%のキリスト教徒のような位置に付くが、人口伸び率においては1位となる。魅力第一はMeditation = 瞑想になるが、それだけじゃなく物理科学と仏教の融合性にもある。つまり、個人または物質はそれそのものの力で存在できるのではなく、絆及び相互連結性により存在できているということ。また、その仏教の形もアジアとは違い、個人主義的であり解脱よりは“今”を重視する。2016/12/02
in medio tutissimus ibis.
3
大戦後の経済成長に伴う構造変化による既存のセーフティネットからの落後者を、ロマン主義と科学との融和性により仏教が吸収した。概ね日本でも見た流れだが、アメリカではアレはなくダライ・ラマの平和的イメージが功奏した模様。移民の持ち込んだり祖国から伝導された仏教もあるが、人口の1%を占めるに至ってアメリカ独自の仏教を形成しつつある。その特徴は、宗教の実践を好みながらその組織を嫌悪するアメリカらしく、平等性、行の中心、社会参画、超宗派性、個人化である。組織が弱くて生き残れるか。マインドフルネスは最近輸入されてきた。2022/02/14
quienseria
3
アメリカにおける現在の仏教の動向を知るのによい本。アメリカでは徐々に仏教が広がっている様子。日本発祥のマクロビオティックも逆輸入で日本に入ってきて流行したし、仏教もアメリカから逆輸入されて新しい形で流行るかも?! 2012/04/02