感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
水紗枝荒葉
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ローマ・カトリシズムとプロテスタンティズム・ユニタリズムを両極としたとき、その中道=「ヴィア・メディア」としてのアングロ・カトリシズムをエリオットは選んだ。エリオットの宗教的側面を深堀りしていく論考。個人的には、スウィフトとの比較を特に面白く感じた。同じアングロ・カトリシズムを信仰し、似たような懐疑主義を持ちながら、理性すら信用していないという点でスウィフトはエリオットとは異なる。スウィフトの場合はピュリズム(懐疑主義の果ての思考停止)が結論になるが、エリオットは『四つの四重奏』などで示されている通りだ。2023/12/27