身体へのまなざし - ほんとうの看護学のために

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身体へのまなざし - ほんとうの看護学のために

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  • サイズ B6判/ページ数 167p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784902630244
  • NDC分類 492.9
  • Cコード C3047

出版社内容情報

著者が長年あたためてきた身体への関心を看護学に必要な基礎論として世に問う。看護の神髄にふれる思索の集成。ファン待望の一冊。こころとからだ、あるいは主観と客観の二分法は科学のための便法に過ぎない。人は心身一如たる身体として生きている。臨床は身体的な営みの場。それを捨象した看護学は不毛である。著者があたためてきた身体への関心を看護学基礎論として世に問う。人の奥深さ、身体の不思議・・・・看護の神髄にふれる思索の集成。日常的思索と研究的達成が一体となって、豊かな知の地平がひらかれる。「私自身のほんとうの関心にしたがうことが、看護学の可能性をひらくことにつながるという確信だけはある。」(著者)
著者は専門とする精神科看護の領域で多くの著書を持ち、患者理解について独自の理論を編み出した(『統合失調症急性期看護マニュアル』2004,改訂版2009,すぴか書房)ことで知られます。また認知症高齢者の生活世界を参加観察研究をもとに活き活きと描き(『認知症の人々が創造する世界』岩波現代文庫)、より広い読者を獲得しています。これまでの著作でも、著者のモチーフは「からだでも、こころでもなく」全体性としての身体(しんたい)にあったと言えます。本書は、長年あたためてきた身体への関心を、「ほんとうの看護学のために」必要な基礎論として位置づけるために、改めて書き下ろされました。看護学が看護実践の学であるなら、患者-看護師の相互関係性を「からだでも、こころでもなく」身体として見据えることが本質的に重要であることが、さまざまなテーマをとおして、また著者自身の体験もまじえて諄々と説かれています。看護学の現状は、看護の神髄を見失う方向に進んではいないでしょうか?そう問いかける警世の書と言えるかもしれません。最終章には、著者による三浦雅士インタビュー(対談)を掲載。

はじめに
身体という言葉

第1章 身体 からだでもなく、こころでもなく
1.日々の暮らしの中で
●科学が説明してくれないこと
●デジャ・ビュ deja vu
●「えもいわれぬ」感覚
●読書の醍醐味
●当たり前が当たり前でなくなるとき
2.病気体験のさなかに
●コントロールが及ばない体に恐怖する身体
●ケアする手は身体の境界をこえる
●希望をもたらす言葉
3.自分とは? 私が私であることの不思議
●じっと手をみる
●解離
4.患者さんの自殺にまつわる体験
●予兆
●「事後」にしかわからないこと
●・徴候・予兆と予知とのあいだ

第2章 身体の底をみる 重度認知症患者の行動観察をとおして
1.原初的身体
●言葉と身体
●「さわる」行動の意味
●感動する身体
●相互依存的な身体
2.身体の所有 自分の体を自分のものと感じとること
●ヒトから人間になる―自己の成立
●自分から離れてしまう身体
自他の区別
一体感の喪失
3.還っていく身体 身体の内閉化
●見当識障害の進行―発達過程の逆をたどる
過去に覆われていく会話
発達の初期段階に還っていく言葉
●自己接触行動
4.徘徊の理由
●なぜ歩きはじめたのか
●未知なる世界の入口に立つ不安と恐怖
●還るべき場所

第3章 身体の変容 精神病を患う人々が経験している身体
1.看護師の実践を導く患者理解を求めて
2.自他を区別する境界線 自己が存在するための絶対条件
●ほどよい自我
◆自 我
●脆弱な自我
●統合失調症急性期の人々の精神構造
◆ホメオスターシスの崩壊
3.自己が霧散してしまった身体
●患者が語る発病時の身体
●自分と周囲環境が逆転する
●感覚の異常
●時間が「乗っ取られる」
●急性期を経過すると
4.未分化な身体への逆行
◆孵化する前の状態
5.統合失調症急性期の看護
●保護膜という考え方
外側に保護膜を張る
保護膜をはぎ取らない
保護膜が張られていくことを妨げない

第4章 看護技術と身体
1.相互浸透する身体
●清拭する手の力
●能動と受動の反転
2.看護技術と看護師の実践
●技術はどのように発揮されるのか
●適用の背後にあるもの
3.看護手順
●作法の意味
●順番のみの教育
●かつて、看護技術には思想があった
国分アイのナーシングアート
大関 和の実地看護法
●非侵入的に接近し、非侵襲的に触れる
●気づかい
4.実習の意味
5.技術の修得
●反 復

第5章 関係としての身体 身体の重層性、全体性、現場性
1.身体の重層性
●意識的身体―身体の表層
●オノマトペ的身体―身体の中間層
●“領域”としての身体
●病気における身体の異変
●「触れる」ということ
●時間の拡張―現在として続く過去
●原初的身体―身体の基底層
2.身体の形成―歴史が刻まれていく身体
●発生
●発達―意識される身体
社会によって、時代によって変容する身体
「こころ」と「からだ」に分かれた身体―身体の再所有
●老いの進行と身体―還っていく身体
見方を変えると見えてくること
3.間身体的な現象
4.身体の全体性
階層構造の理解の仕方
看護技術の全体性
5.見えるということの関係性
6.身体の現場性

第6章 身体の理論と看護学
1.身体論的な見方とは
●看護理論における身体論の不在
●なぜ身体の現象に目を向けるのか
2.さまざまな身体論
●人間とは何かという問い
3.高度な看護実践能力を身につけるために
●専門看護師にみる実践力
●CNS教育と看護学
●臨床で発揮されている看護師の実力

第7章 身体の生成、認識、つながり(インタビュー)
三浦雅士 聞き手:阿保順子
はじめに 身体を〈意味〉でとらえるまで ウチとソト 「ウチとソト」の反転、人間の不思議 自己像の形成と再所有、身体を手がかりに きれいと汚い 看護師の「ウチとソト」 「体に聞く」という技術 

あとがき

阿保順子[アボジュンコ]
著・文・その他

感想・レビュー

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アゲ

0
おもしろかった。作者が長年考え練ってきたことが書かれている。いいことばかりではなく、よくないところも書かれていてよかった。何度も読み返したい本。臨床での「そうそう!!」っていうことも多くあって、そういう意味でもおもしろかった。2016/12/03

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