内容説明
数十年眠りつづけたタウトの遺品―手帳や原稿の下書き、そして写真アルバム4冊。そこには昭和8年から11年の日本滞在中に、タウトが撮影したピントのあまい写真やら、絵はがきなど1422点。報道カメラマンよろしく、小さなカメラ「ヴェス単」で果敢に被写体に挑むタウト。そのまなざしを再検証すべくアルバムから厳選した130点を公開。
目次
タウトの遺品
タウト日記アルバム
タウトが遺した写真アルバムの読み方
戦前昭和ヴィジュアル時代の『ニッポン』
タウトが見たもうひとつのニッポン
著者等紹介
酒井道夫[サカイミチオ]
1939年生まれ。武蔵野美術大学教授。1960‐70年にかけてインテリアデザインおよび建築の雑誌編集にたずさわる。70年大阪万博取材を経て編集現場を退き教職に就く。以後、近代印刷史および出版史を編集実務的観点から検討し、主として日本近代造形思潮の解析を試みている
沢良子[サワリョウコ]
1952年生まれ。東京造形大学教授。1920年代のドイツ建築史、および日本近代建築史を研究。現在、岩波書店所蔵の「ブルーノ・タウト資料」の調査研究を進めている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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yarake isuke
3
図。ご縁があって手に取る。ピンボケが多いが、だんだんとくせになる。忠犬ハチ公が出てきてほっこりする。沢良子先生の文章が、キレが良く素適です。2023/10/14
Mizhology
2
以前、展覧会場で気になりながらもじっくり観られなかった写真に逢えて嬉しかった。私も恋い焦がれるニッポン!今は無き風景を遺してくれていて本当に感謝。いつかお伊勢詣りにも行きたい。2012/07/25
ウメ
2
古き良きニッポン。タウトの視線をむやみに神聖化することなく、一西洋人の捉えた日本の風景が紹介されている。なぜそれを撮ったのか、何に心ひかれたのか、一言添えることで面白味が増す。2012/04/12
メルセ・ひすい
2
9-32 渋谷のハチ公が印象的・・・ こういうの好きです・・ 1933年、ナチに追われ、来日したブルーノ・タウト。昭和8年から11年の日本滞在中、小さなカメラで好奇心のままにタウトがとらえたニッポンを、新訳の日記とともに再現する。 2007/10/16
midringgggg
1
昭和の始めから数年間「建築家の休日」として滞在したときのタウトが撮った写真と日記。古き日本の風景を今に伝えてくれる本。最後は「日本に飽きた!」なんて帰国をしたみたいですが滞在中はとても興味深く日本を撮り歩き言葉を残してくれています。昔の日本の美しさが感じられて良いです。ハチ公もでてきます。