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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
蛸
11
フォルムとアンフォルムの対立の中に内在する、形相と質量の対立や線描と色彩の対立の歴史を前提に、西洋美術史を駆け抜けていく第一章。音と色を跨ぐ「共感覚」や、それに伴う音楽と絵画の関係性、神秘主義などをたよりに20世紀の抽象画を探る第二章。「美学とは何か」という原理的な問いをカントまで遡って説明している第三章。バロックという概念の複雑な成り立ちを美術史の成立史、その前提となるイデオロギーから解き明かす第四章。改めてポストモダニズムについて解説し、自律性を獲得した芸術が袋小路に陥っていく様を解説した第五章。2022/04/08
袖崎いたる
5
カルチャーセンターで着席しているような印象。美学は思弁的でなければならぬ、という強い決意でもって書かれている情熱の書でもある。ぼくの先生は美学と芸術学とで分けるのはけしからんと言っていた人なんだけれど、それに関して著者は次のように述べている。「芸術学なるものが、すでにでき上がった形についての学であるとすれば、美学は形と形ならざるものとの関係をいかに考えるかということに主眼を置くべきだと思います。」(p152)内容はいちおうの流れはあるけれど、つまみ食いくらいが丁度いいかなぁという感じ。豊富なネタの宝庫。2017/08/03
王天上
2
難しげな論文が分かりやすい言葉で語り直されているので、とてもありがたい講義録。頭がよくなったような気になれるな。今までぼんやりとしか理解していなかった美術史が捉えなおせて有意義でありました。2014/03/15
おがわ
1
バロック、宗教と美の癒着、美術・視覚体験を通して教会権威を見る。カントの美学・無関心性、美が宗教と手を切った後どうのように美でありうるか・趣味性の問題。美学=反バロックから出発。しかし美的体験に感動を求める美学自体、バロック的な美術の権威構造をなぞらえているのでは?2023/02/05
katteguci
1
西洋中心の美術史に実は根拠がないかもしれないということと、日本の美術史の紡げなさ…というのが強く印象に残った。2011/03/21