内容説明
パパとママは「はやくはやく」ってぼくにいう。おじいちゃんとおばあちゃんは「ゆっくりゆっくり」ってぼくにいう。ぼくは―「はやく」と「ゆっくり」にはさまれちゃって、どうすればいいのかわからない。
著者等紹介
張輝誠[チャンホイチョン]
1973年生まれ。台湾中部の雲林県で育った。台湾師範大学で中国文学を学び、文学博士号を取得。高校教師を経て、現在は教育改革に関わる活動に取り組みつつ、作家としても活躍している
許匡匡[シュイコワンコワン]
台湾の絵本作家、イラストレーター。英国ロンドンのキングストン大学でイラストレーションを学んだ。現在、イラスト制作のほか、服飾や雑貨にイラストを提供し、共同制作している
一青妙[ヒトトタエ]
台湾人の父と日本人の母のもとに生まれ、11歳まで台湾で育った。現在、作家、女優、歯科医師として幅広く活躍している。台湾に関する著書も多く、台湾で家族と暮らした思い出をつづったエッセイ『私の箱子』『ママ、ごはんまだ?』(ともに講談社)は、日本で映画化、台湾では舞台化された。2015年より台南市親善大使を務め、日台文化交流に力を尽くしている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
アキ
96
台湾の絵本。パパとママからはやくはやくと急かされて、おじいちゃんとおばあちゃんからはゆっくりゆっくりと言われる。どっちの言うことを聞けばいいの?ぼくには時計が3つある。家にある時計とはやく進む時計にゆっくり進む時計。おばあちゃんが病気になったらママもパパもゆっくりになったけど、元気になったらまたはやくと言い出した。おじいちゃんに聞いたら、心の中の時計はみんなひとつなんだよ、ときどきはやく、ときどきゆっくりになるのさ、と言われた。ときどきはやく、ときどきゆっくり、そんな自分のリズムを見つけられればいいな。2023/01/19
anne@灯れ松明の火
26
新着棚で。ちらっと開けたら、文章が多かったので、ゆっくり読もうと借りてきた。それ、正解! なかなか深いお話だったから。パパとママは「はやくはやく」と言う。田舎に行くと、おじいちゃん、おばあちゃんは「ゆっくりゆっくり」と言う。ぼくはどうしたらいいの? どんな結末になるのか、とても気になり、最後は「なるほど」と納得。自分で解決の道を見つけた「ぼく」に拍手! 子どもだけでなく、大人にも響く内容。台湾の絵本。絵は、シュイ・コワンコワンさん。2022/07/01
ヒラP@ehon.gohon
23
「早く」も「ゆっくり」も自分の中では日常語になっていますが、改めて考えると、「早く早く」は親から言われ続け、子どもに言い続けてきた言葉のように思います。 逆に、「ゆっくりで良いんだよ」とは、周りから言われた言葉であったり、自分が気づかされた言葉のように思います。 急かされ追い続けることが良いのか、ゆとりを持って物を見ることが良いのか、単純に優劣をつける問題ではありません。 どちらも大事なんだと改めて感じます。 人から急かされることが自分を見失うことにもなりかねません。 2022/06/30
ヒラP@ehon.gohon
20
親はどうして子供を急かすのでしょう。祖父母はどうしてゆっくりで良いよというのでしょう。 祖父母も自分の子どもは急かしていたに違いありません。 急ぐこともゆっくりすることも、どちらも大切だということを、気づかされました。2022/07/02
おはなし会 芽ぶっく
19
子どもについ言ってしまう「はやく はやく」という言葉。大人の都合ですよね。分かってはいたのですが…。絵本ではおじいちゃんやおばあちゃんは「ゆっくり」と言い、子どもは混乱。大人の言葉で振り回されているけれど、自分の時間はきっと自分で見つけられます。訳者の一青妙さんは、歌手の一青窈さんのお姉さん。 【第14回ようちえん絵本大賞】2022/07/23