内容説明
「ぼくはこの惑星にアレルギーがあるんだ」といい残し、29歳で自ら命を断ったジャン=ピエール・デュプレー。単語の解体/捏造/増殖によって、ことばに新次元の可能性をつけ加える、その戦略的な詩を精読するとともに、あらたな局面を迎えつつあった当時のシュルレアリスム運動全体の動向をたどる。
目次
第1章 シュルレアリスム的解決
第2章 少年詩人の誕生―ランボーの方へ
第3章 「おのれの分身の背後に」
第4章 デュプレーとシュルレアリスム
第5章 「終焉と流儀」へ
付録1 ジャン=ピエール・デュプレー詩集抄
付録2 資料集
著者等紹介
星埜守之[ホシノモリユキ]
1958年、米国ペンシルヴァニア州に生まれる。東京大学大学院人文科学研究科博士課程中退。現在、東京大学准教授。専攻、二十世紀フランス文学、フランス語圏文学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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brian.fabu
3
ジャン=ピエール・デュプレーという人については殆ど先行研究もなく、この本を書くのは相当に大変だったと思われる。ほぼ翻訳不可能なデュプレーの詩もふんだんに日本語に訳出されており、読む価値がある。 ただ、内容は少し薄いと共に不満も。カルージュ事件におけるブルトンの対応などからイデオロギーにより定義されるものとは異なったものとして、シュルレアリスムを捉えたいのは分かるが、それがデュプレーがシュルレアリスムを通過したことと関係があるのかどうかが分からなかった。とはいえ、本当にシュルレアリスムの25時シリーズに感謝2018/03/28
turekuke
0
いまいち2011/01/24