目次
帰れ、あの翻訳(村上春樹+柴田元幸)
翻訳の不思議(村上春樹+柴田元幸)
日本翻訳史 明治篇(柴田元幸)
小説に大事なのは礼儀正しさ(村上春樹+柴田元幸)
短篇小説のつくり方(村上春樹+柴田元幸)
共同体から受け継ぐナラティヴ―『チャイナ・メン』(村上春樹+柴田元幸)
饒舌と自虐の極北へ―『素晴らしいアメリカ野球』(村上春樹+柴田元幸)
翻訳講座 本当の翻訳の話をしよう(村上春樹+柴田元幸)
著者等紹介
村上春樹[ムラカミハルキ]
1949年生まれ。作家、翻訳家
柴田元幸[シバタモトユキ]
1954年生まれ。米文学者、東京大学名誉教授、翻訳家。ポール・オースター、スティーヴン・ミルハウザー、レベッカ・ブラウン、ブライアン・エヴンソンなどアメリカ現代作家を精力的に翻訳。現在、文芸誌『MONKEY』の責任編集を務めている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
starbro
219
私はハルキストでも村上主義者でもありませんが、村上春樹の新作は翻訳物もコンスタントに読んでいます。柴田 元幸は、初読です。「日本翻訳史 明治篇」や「翻訳講座本当の翻訳の話をしよう」での著者二人の訳しあいを興味深く読みました。但し、村上春樹が翻訳した小説以外は、ほとんど読めていないのが残念です。 2019/06/11
ケイ
131
おふたりの口から、特に村上氏の口から、イギリス文学について語られるのを聞くのは、意外でとても興味深い。勿論、本筋はアメリカ文学。漱石についても触れられている。あぁ、読みたい本が増えて仕方ない。ゆっくりと再読して、リストを作らなくてはいけないな。この本にサインを頂いた時、柴田さんの隣にはもう1人作家さんがおられ「共著なのに僕一人のサインですいません」との言葉に、「僕なんて村上さんとなのに(笑)」っておっしゃってて、確かに!と思ったのだった。2020/04/26
buchipanda3
114
村上春樹と柴田元幸の対談集。短篇小説のつくり方、翻訳講座が特に面白かった。二人は長いこと一緒に仕事をしているというのもあってか、あうんの呼吸が感じられて楽しい読み心地。二人とも翻訳する行為が好きで堪らないというのも滲み出ていて感化されてしまう。実際やるのは相当大変だというのも伝わってきたが。翻訳本をもっと読みたいという気持ちにさせられた。マーロウの"I"の訳し方の"僕"は吹いた。二人の翻訳文の比較からスタンスの違いが結構明確に出てる。原文の感覚を残しながら正確に分かり易く伝えるのは大変そう。2020/02/24
ずっきん
84
柴田さんとの対談を中心にまとめたもの。柴田さんの訳はやっぱり好きだわ~♪ ハルキ、ごめん。チャンドラーを訳す時のエピソードが面白かった。2020/02/02
けろりん
64
村上春樹・柴田元幸両氏による翻訳や小説を巡る対話と、柴田氏の講演を収録した一冊。巻頭から博覧強記的に繰り出される本と作者、作品への深甚な思い入れに圧倒され、メモを取る事さえもどかしく、図書館の蔵書検索ページを開き、都度チェックを入れながら読み進めました。明治の御代、文明開化と共に押し寄せた西欧作品を精力的に翻訳した森鴎外と、卓越した技量を持ちながら、積極的に翻訳を行わなかった夏目漱石との対比や、英米作品の違いを『描写で読ませるのと、声で読ませる』と断じる痛快さ。両氏の作品への敬意ある翻訳への姿勢に感動。2019/12/16