内容説明
本書は、米ソ冷戦という時代状況を踏まえて、保守と革新の対立軸を中心としながら、1945年から2005年に至る日本の戦後政治の軌跡を辿るものである。
目次
第1部 戦後政治の争点と決算(戦後政治の軌跡;占領政策の転換と日本政治の波動(1948年の政治状況)
「所得倍増計画」と日米首脳会談(1961年の政治状況)
「黒い霧」事件と自民党総裁選(1966年の政治状況)
ロッキード事件・「三木おろし」・総選挙(1976年の政治状況)
細川、羽田および村山「連立政権」の特色と政治課題(1994年の政治状況)
阪神・淡路大震災・戦後50年国会決議・米兵少女暴行事件(1995年の政治状況))
第2部 戦後政治の転換と課題(日米同盟関係の危機と強化;日米安保体制の再検討;日米首脳会談と政治過程―1981年5月の鈴木・レーガン会談をめぐって;村山内閣の歴史的位置―“革新的”側面と“保守的”側面;衆議院の「解散・総選挙」―解散の特色と「類型」;「ドブ板選挙」の実態―浦安市議会議員選挙始末記;「臨床政治学」の提唱と発展―岡野加穂留氏の学問的足跡)
著者等紹介
藤本一美[フジモトカズミ]
1944年青森県に生まれる。1972年明治大学大学院政治経済学研究科博士課程修了。現在、専修大学法学部教授。専攻は政治学、米国政治(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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Haruka Fukuhara
6
だいぶ前に買って積んていた本。冒頭から興味深い記述があった。>占領統治の方式は、ドイツの直接統治とは異なって、日本政府の存在を認める「間接統治」であった。→ドイツの戦後はどういう風になっていたんだろう。ドイツ人が自分達のものとして戦争責任を認識できずにいる(ナチス・善良なドイツ人二元論)のは何かその辺りの事情が関わっているのだろうか。ちなみに本書は2008年の刊行で2005年までの日本政治史を語るというなかなかの意欲作。幅広い話題が扱われていて学問としてだけでなく読み物としてもなかなか面白い。2017/06/24