目次
序章 比較の中の明治憲法
2章 明治憲法とドイツ主義の受容
3章 独自性への回帰―「国体」の論理
4章 立憲君主制の本質
5章 憲法を支える官吏の義務
終章 明治憲法体制の中のドイツ
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
denz
1
ありそうでない大日本帝国憲法とプロイセン憲法の比較研究。十九世紀のヨーロッパの憲法史およびドイツの憲法学説史、そして日本の憲法学説史を知るには便利な本だが、肝心の表題の「隔たり」について、明瞭でない印象。おそらくプロイセン憲法は曲がりなりにも制定に議会が関わっている点で、欽定といっても君主に対しても贈られており、また憲法内に君主を置くが、帝国憲法は欽定憲法あっての議会であり、「國體」という法的解釈が可能かどうか議論が分かれるものがあり、また大臣責任も副署よりも輔弼を重視している点で特殊ということか。2012/09/11