内容説明
2001年~2015年。構築主義をめぐる議論の地平を越え、新たな動態的歴史像をめざして秩序形成/解体の過程を再考する、歴史研究の多様な試みに光をあてる。
目次
第1章 歴史学と時空間(地域論・時代区分論の展開;「東アジア」と「世界」の変質;中央ユーラシア史研究の展開;イスラームと地域論;ヨーロッパ・アイデンティティ)
第2章 社会統合/国家統合の動態(国民国家論以後の国家史/社会史研究―構築主義の動態化/歴史化にむけて;「人のつながり」と中世日本;身分論の新展開;社会統合と政治文化―近世-近代ヨーロッパ;性売買・日本軍「慰安婦」問題と国家・社会;感染症と権力をめぐる歴史学;地域の歴史としての社会主義;国家統合と地域社会)
第3章 社会階層と生活世界(民衆史研究・社会運動史・社会史研究と今日の歴史学;民衆と暴力;地域社会と民衆運動;地域と生活世界の再編;植民地近代性;グローバル格差と地域社会―ラテンアメリカの場合)
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感想・レビュー
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アメヲトコ
5
歴研の2000~15年の歴史研究レビューの2冊目。「地域」というのが重要なキーワードの一つとなっています。個人的には前半をとくに面白く読みました。西洋近世の「礫岩国家」論など、ちゃんと知識をアップデートしていかないといけないなあ。2018/08/25
ゐ氏/きたの
0
去年「近世日本の儒学を東アジア世界において位置付けるとどうなるか?」と先生に聞かれて「はい???」となったが、そういうことだったのかあ、とこの本を読んで納得。自分の不勉強さに反省・・・。宮嶋氏の「儒教的近代」という考え方、私も学部3年の時中国思想史の発表で同じこといったじゃん!もうとっくのとうに言われてたんダネ…改めて反省すると同時に自分の思索の正しさ(?)に自信を持てた。(あの時「先入観が云々」と的外れな批判してきたやつザマア!)深谷氏の「儒学核政治文化」という考えはナルホドと思った。2018/05/10