内容説明
開発論におけるコミュニティへの過度な期待は、リスクや格差の問題を看過してきた。都市に内在するリスクの下で、人々はいかに労働と生活を維持しているのか。格差構造の下、都市下層民にとっての「成功」とは何か?都市において生成・変化・消滅を繰り返すインフォーマル経済。リスクを吸収する機能をもったコミュニティ。一方で進む階層化とその再編。その内在的メカニズムを、「居住」と「職業」に着目しつつ動態的に描き出し、グローバル化時代の都市の実像に迫る。
目次
第1章 都市下層民をどのように捉えるか
第2章 バンコクにおける都市貧困政策
第3章 調査コミュニティの概要と生活状況
第4章 都市下層民と「職業」
第5章 都市下層民と「居住」
第6章 リスクへの遭遇(1)火災と住宅・コミュニティの再生
第7章 リスクへの遭遇(2)火災に対する自営業者の対応と階層化
第8章 リスクへの遭遇(3)レイオフと女性労働者のライフコース
著者等紹介
遠藤環[エンドウタマキ]
埼玉大学経済学部専任講師。1975年大阪府生まれ。1999年京都大学法学部卒。2004年京都大学大学院経済学研究科博士後期課程単位取得退学。日本学術振興会特別研究員(PD)(京都大学東南アジア研究所)。2007年京都大学大学院経済学研究科より博士(経済学)取得。京都大学東南アジア研究所GCOE研究員(2007年)を経て、2008年より現職(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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