出版社内容情報
ジャワラ――インドネシアの暴力集団。「神秘的パワー」で若者を引きつけてきた地方の暴力団が,スハルト独裁の契機となった「アクト・オブ・キリング」の事件(9.30事件)を通じて,権威主義体制の礎となっていく。そして今,民主化の波に乗って,地方政治の新しい主役となる。その軌跡と実態を身体を張ったフィールドワークで赤裸々に明らかにする。
内容説明
ジャワラ―インドネシアの暴力集団。「神秘的パワー」で若者を引きつけてきた地方の暴力集団が、スハルト独裁の契機となった「アクト・オブ・キリング」の事件(9.30事件)を通じて、権威主義体制の礎となっていく。そして今、民主化の波に乗って、地方政治の新しい主役となる。その軌跡と実態を身体を張ったフィールドワークで赤裸々に明らかにする。
目次
序章 暴力集団の台頭と「地方政治の安定」―社会的亀裂はなぜ政治化しなくなったのか?
第1章 権威主義体制の崩壊から民主化・分権化へ
第2章 暴力集団(ジャワラ)とイスラーム―バンテン地方の政治構造の歴史的展開
第3章 独立宣言、社会革命、そしてアイデンティティの政治―1945‐1971年
第4章 ウラマーとジャワラを通じたスハルト体制の浸透―1971‐1998年
第5章 細分化の地域主義―バンテン州設立運動
第6章 州「総督」と呼ばれる男―権力闘争とジャワラによる地方支配―2000‐2006年
第7章 新勢力との闘争―バンテン州知事選、2006年
第8章 福祉正義党―イスラーム的正義の台頭と皮肉なアクロバット
第9章 安定化のポリティクスの多様性―インドネシア地方政治の全体像
第10章 暴力と適応の政治を超えて
著者等紹介
岡本正明[オカモトマサアキ]
京都大学東南アジア研究所准教授。東南アジア地域研究専攻。1971年、兵庫県生まれ。1994年、京都大学法学部(比較政治学専攻)卒業。1999年、京都大学大学院人間・環境学研究科文化・地域環境学専攻博士後期課程研究指導認定退学。2001年、国際協力事業団(JICA)長期派遣専門家。2003年より現職(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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