出版社内容情報
例えば国際紛争の解決や,開発と環境保護が対立する現場に飛び込んだ若者が,その現場で最も適当な解を見つけるには何が必要なのか? もはや単一の専門知識では,我々が直面する複合的・構造的な課題には対処できない。理学・工学から国際法・国際政治まで,深くかつ広い教養に支えられた実践力を目指す知の挑戦。
内容説明
例えば開発と環境保護が対立する現場、国際紛争の現場に飛び込んだ若者が、その場で最も適当な解を見つけるには何が必要か?個人レベルの生命、自由、財産などの安全保障から、市民社会や国家、地域の秩序に関わる戦術・戦略まで、複合的・構造的課題を見通すには、人文学や基礎科学の素養の上に、工学、農学、医学分野から地域社会、国際法・政治に至る事柄まで、深くかつ広い学識と、それらに裏打ちされた実践力が必要になってくる。文字通り学問と国境の垣根を越えた人材を育成する知の挑戦。
目次
第1部 総合生存学の基礎(人間の本質への問い―「われわれはどこから来たのか、われわれは何者か、われわれはどこへ行くのか」;「宇宙船地球号」―地球の歴史という視点;生命の歴史が教えるもの;「歴史」から何を学ぶか)
第2部 総合生存学の方法(社会科学の視点に立って;自然科学の視点に立って;情報学の視点に立って)
第3部 現代社会が直面する諸問題と総合生存学(地球環境の変遷とその将来を見すえて―環境破壊・災害・気候変動;民族間・文化間・宗教間・国家間の対立―「多元主義」をめざして;現代の人類的課題としての貧困と教育格差;人類の脅威としての感染症;人口問題・食糧問題―個別科学の限界の枠を超えて;資源・エネルギーの問題―“On the Same Boat”という視点)
第4部 実践の学としての総合生存学(国際協力―援助と自立;国際機関の役割―地球全体の複合的な問題解決;リスクとマネジメントの問題)
第5部 総合生存学と未来開拓(自然との共存;対立の克服と平和の実現;グリーン成長/グリーン経済の概念―経済開発の新しい枠組みになりうるのか?;サイエンスとトランス・サイエンス)
著者等紹介
川井秀一[カワイシュウイチ]
京都大学大学院総合生存学館・教授。専門は森林学、木質科学
藤田正勝[フジタマサカツ]
京都大学大学院総合生存学館・教授。専門は哲学、倫理学、宗教学、京都学派の哲学
池田裕一[イケダユウイチ]
京都大学大学院総合生存学館・教授。専門は経済・社会物理学、複雑系科学、エネルギー安全保障(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。