内容説明
「農業はどこで始まり、どのように広がったのか?」農業起源に関する最近の考えは独立発生説が強まっている。筆者は広域フィールド・ワークでモノ・人・景観に直接触れながら、農業の形の変異と地理的分布を鳥瞰して独立発生説を退ける。本書はその着想と検証の成果である。穀物農業は西アジアのオアシスにおいて小区画潅漑耕地の集約的農法に起源し、根栽農業はマレーシア熱帯の熱帯林での半栽培に起源して、汎世界的に伝播と適応放散を果たしたという農業の二元起源論を展開している。
目次
第1章 発端(マダガスカルの大草原で;小区画潅漑畑とミニ水田 ほか)
第2章 オアシス潅漑農業(ファータイル・クレセント;メソポタミア平原 ほか)
第3章 南アジアへの伝播(オアシス農業の移動;新たな栽培化 ほか)
第4章 東アジアへの伝播(アワ・キビの東遷;アワ・キビ栽培の進展 ほか)
第5章 熱帯島嶼の農業系譜(根栽農業;ニューギニア本島 ほか)
著者等紹介
古川久雄[フルカワヒサオ]
1940年神戸生まれ。1963年京都大学農学部農芸化学科卒業。1968年京都大学大学院農学研究科中退、京都大学農学部助手、1978年京都大学東南アジア研究センター助教授、1988年同教授、1998年京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究科教授。2003年退職。京都大学農学博士、同名誉教授。現在、NPO法人平和環境もやいネット理事長(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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