内容説明
旧約聖書のモーセは、イスラエルの民を引き連れエジプトから脱出する出エジプト、神より授かった“汝殺すなかれ”等の戒律を含む十戒などの話で名高いが、物語はモーセによる大量虐殺などの事件を含み、矛盾に満ちあふれる。ヨセフスによる再話は、巧妙に改変して聖書とは異なった歴史物語にしている。ユダヤ教・キリスト教研究の世界的権威が、聖書がどのように理解され読まれたかを、軽妙な語り口で紹介する。
目次
第1章 モーセ誕生の前史
第2章 モーセの誕生
第3章 成人後のモーセ
第4章 エジプトに戻ったモーセ
第5章 エジプト脱国とエリュトラ海での奇跡
第6章 シナイ山への行進
第7章 シナイ山での十戒の授与
第8章 シナイ山からカナンの地へ
第9章 モーセの最期
著者等紹介
秦剛平[ハタゴウヘイ]
1942年生まれ。多摩美術大学教授、同大学新図書館館長。専攻はヘレニズム・ローマ時代のユダヤ教(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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bapaksejahtera
11
第二神殿がローマ軍に破壊されたユダヤ戦争時、ユダヤ軍の指揮官を勤め後に投降して文筆を以て民族養護者となったヨセフスの研究者の著者が、モーザ五書をギリシャ語読者に対して再説した「ユダヤ古代誌」を紐解く。本巻では出エジプト記から申命記に至るモーゼの物語。ヨセフスの文章は、ディアスポラ下ユダヤ人への抑圧を回避する為、各聖書の矛盾点の修復改竄、その残虐な性格や教義の異質性を都合よく繕うと共に、裏切り者と見られてもいた著者の弁明を巧みに織込む。殺すなかれの戒律を授与された石版を異端者に投げつけ三千人を殺す宗教は凄い2022/10/15
たま
3
タイトルと中身がちょっとズレてる気がする/ヨセフスってこんな頑張ってあれこれやってんだよ〜!って感じ。面白かった!2020/07/07
piece land
1
文章はあまり好きではない2011/01/19