内容説明
「同じモノやコトが、同時に複数の姿をとる」などあり得るのか?―アインシュタインが提起したパラドックス“EPR”。量子力学の創業者たちを当惑させた「理論」が、21世紀の先端技術を目指す量子情報研究で「何の疑いもせずに」使われている。真理と制度をめぐり“科学とは何か”で揺れる現代科学の転換期を、「物理学の世紀」で消されたマッハにまで遡り、“物理帝国の埋蔵金”を理論物理学の泰斗がスリリングに描く。
目次
第1章 「起こる」と「知る」の差EPR―パラドックス
第2章 アインシュタインと量子力学―創業者の反逆?
第3章 量子力学解釈問題小史―「世界」と「歴史」の作り方
第4章 力学理論の構造―「起こる」か?「ある」か?
第5章 量子力学理論の切り分け―hのない量子力学
第6章 量子力学とマッハの残照
第7章 「非決定論」のウイーン
第8章 湯川秀樹にとっての量子力学
第9章 確率と不安―ランダムか情報不足か
第10章 「科学」という制度をマッハから問う
著者等紹介
佐藤文隆[サトウフミタカ]
1938年生まれ。京都大学名誉教授。1960年京都大学理学部卒業、京都大学助手、助教授、教授、京都大学基礎物理学研究所長、京都大学理学部長、日本物理学会会長、日本学術会議会員、甲南大学教授を歴任。“裸の特異点”の存在を示唆するアインシュタイン方程式における「富松‐佐藤の解」を発見。この業績によって仁科記念賞を受賞。一般相対論、宇宙物理を専攻。湯川秀樹の全集、ビデオなどを編纂、湯川記念財団理事長(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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