内容説明
最先端の知見をふまえて、オセアニア地域を多様な角度から研究し、日本オセアニア学会の総力を編集。ゼロ年代における地域研究の最前線。辺境か楽園か。グローバル時代の太平洋を描く。
目次
第1部 人類の移動と居住戦略(ヒトからみた移動と拡散;東南アジアからオセアニアへの拡散と居住戦略;島嶼部への拡散と居住戦略;言語にみる歴史と環境;先史時代の交易)
第2部 環境と開発(高い島と低い島―歴史生態学の視点から;生業の多様性とその変容;開発と環境保護;社会開発と自然環境―オセアニア島嶼の「個別性」;自動車の普及と社会変容―島嶼のグローバル・テクノスケープ)
第3部 身体と病い(子どもの成長にみる大きな地域差;環境と身体の多様性―成長・栄養とライフスタイル;生活習慣病と倹約遺伝子;社会不安と健康;伝統医療と近代医療;援助と健康教育―ソロモン諸島におけるマラリア対策の事例考察;海外移住の人口学)
第4部 植民地化と近代化(キリスト教化の歴史;日本統治下の南洋群島;国際政治と安全保障―マーシャル諸島の現代政治史とアメリカ合衆国の安全保障政策;紛争と政治的混乱―アフリカ化論の批判的検討を通じて;国民経済と出稼ぎ移民―グローバル化のもたらす近代性と贈与交換;先住民運動とメディア)
第5部 文化とアイデンティティ(観光と「伝統文化」;芸術とアイデンティティ;文化の復興と創造;ジェンダーと社会―メラネシアの伝統を生きる女性たち;文化的アイデンティティと国家;ポリネシアの言語とアイデンティティ;メラネシアにおける言語とアイデンティティ)
著者等紹介
吉岡政徳[ヨシオカマサノリ]
神戸大学大学院国際文化学研究科教授、日本オセアニア学会会長。オセアニアの社会人類学的研究
遠藤央[エンドウヒサシ]
京都文教大学人間学部教授。ミクロネシア、マレーシアの社会人類学的研究
印東道子[イントウミチコ]
国立民族学博物館民族社会研究部教授。オセアニア(特にミクロネシア)の考古学、文化史研究
梅崎昌裕[ウメザキマサヒロ]
東京大学大学院医学系研究科准教授。パプアニューギニアにおける人類生態学・国際保健学
中澤港[ナカザワミナト]
群馬大学大学院医学系研究科准教授。パプアニューギニアとソロモン諸島での人類生態学的研究
窪田幸子[クボタサチコ]
広島大学大学院総合化学研究科准教授。オーストラリアを中心とする先住民の文化人類学的研究
風間計博[カザマカズヒロ]
筑波大学大学院人文社会科学研究科准教授。オセアニアの経済。ディアスポラ等の人類学的研究(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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