内容説明
私たちのなかに組み込まれている「感情」という奇妙なシステム。とらえどころのない心のはたらきに、科学の最前線が迫る。
目次
第1部 感情の基礎(感情の機能を探る;表情認知と感情;感情と言語;感情の神経科学)
第2部 感情の発生(乳幼児における感情の発達;感情の成長―情動調整と表示規則の発達;文化と感情―源田日本に注目して;感情の進化)
第3部 感情と生活(感情と集団行動―社会的適応性の観点から;感情と描画;夢における感情と自我;感情と心理臨床―今日の社会状況をめぐって)
第4部 討論会・感情科学の未来(はじめに:「感情科学」とはなにか;出席者の構成;感情を定義する難しさ;感情と認知・感性・行動;2つの感情;感情と感動;感情はなぜ必要か;ロボットを用いた感情発達のモデル化;感情の個別性;感情N認知なのか,感情が起こっているのか;感情と感性評価;情動,気分,感情;芸術への情動の反映;色と感情:動物と人間の場合;動物の感情;感情と社会適応;感情の個体発生;感情の進化;意思決定から感情を探る;感情科学の課題)
著者等紹介
藤田和生[フジタカズオ]
京都大学大学院理学研究科博士後期課程修了、京都大学理学博士。京都大学大学院文学研究科教授。専門は比較認知研究(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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plum
1
積読消化。Ⅰ 感情の基礎,Ⅱ 感情の発達,Ⅲ 感情と生活,Ⅳ 討論会・感情科学の未来 Ⅰ‐2章 表情認知と感情(吉川佐紀子)とⅡ‐7章 文化と感情‐現代日本に注目して(北山忍ほか)は興味深く読めた。Ⅲ部はほぼ心理臨床研究だが,語彙の古さに驚いた。誤字と図表精度の低さが気になった。もう少し読ませる工夫をしてほしい。京都学術出版会は小規模なのだろうか?2015/03/06
\しおり/
0
感情に関する包括的な研究体系の論文集。コミュニケーションをとる上では相手の感情を仮定することが大事。でも、これだけ色々実験をして論じられているのに感情は主観的であるが故にまだ定義できていないというのが面白いと思った。2013/11/11
osa_k
0
感情の成り立ち、役割、解析等について、様々な角度からの研究成果を読み物としてまとめてある。7章の「文化と感情」では、日米での実験結果の比較から、文化的な違いによって感情の構成そのものが異なってくる可能性を指摘しており、興味深く思った。2013/07/21