内容説明
旅をして何を感じるか?あるいは人生の過去に何を想うか?一見、それは人それぞれに違っているように思える。しかし、ある時代、ある階層、ある国籍として括ってみると、「風景」を捉える言葉は、驚くほど似通っていることに気づく。旅行雑誌の紀行文、大人や子供の様々な作文に現れる、ジオ・ポリティック(社会的な後風景観)とジオ・ポエティック(個人的な原風景観)の微妙な作用を焙りだし、場所を捉える心の機微を解こうとする意欲作。
目次
第1部 旅は語られる―ジオ・ポリティックな態度(雑誌『旅』1964~1997;『オートル・ボワイヤージュ』)
第2部 伝統は創られる―ジオ・ポリティックとジオ・ポエティックの狭間(和歌浦・不老橋の景観論争;能登、低く鳴り高く響く太鼓)
第3部 幼年期は現われる―ジオ・ポエティックの作用(南の国のファンタジー;都会の子ども、山村の子ども)
著者等紹介
滝波章弘[タキナミアキヒロ]
高知大学人文学部助教授。1967年生まれ。神奈川県出身。アリアンス・フランセーズ・パリ校、慶應義塾大学文学部、京都大学大学院文学研究科、ジュネーブ大学経済社会学部で学ぶ。専門は地理学・文化研究。関心のあるテーマは、現代日本と欧州フランス語圏を対象とした空間表象やツーリズム(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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