内容説明
人間性の本質となる「徳」と営みとしての「商業」とから拡大したヨーロッパの「文明社会」の本質を社会・政治・経済の思想史から論じる。
目次
政治思想としての歴史叙述―ある研究計画の形成についての報告
第1部(17世紀イングランドにおける信用と基金;ミシシッピ・バブル後のブリテン―ジョン・ロー来訪をめぐる信用論争;ジョン・ロックと啓蒙の始まり;ジャン・バルベラックの「啓発された自己愛」;アベ・ド・サン=ピエールの商業社会論―啓蒙の功利主義)
第2部(「文明化された君主政」論の王党派的起源―フィリップ・ウォリック、エドワード・ハイドと、ヒューム;アダム・スミスにおける学問と思想―個と普遍をめぐって;文明社会史論としてのスミス経済学;啓蒙の世界観―ポープとスミスの「見えざる手」;ルソーとプーフェンドルフ;反革命思想と経済学―マルサス『食糧高価論』に関する一考察)
第3部(ベンサム、アメリカ、共和政;コールリッジをめぐる理論家と歴史家の対話―アレン=モロウ論争再訪;ハイエクと現代共和主義論;アイン・ランド―経済学のマキアヴェッリ;ゲーム理論とスミス『道徳感情論』)
「徳、商業、文明社会」の諸問題
著者等紹介
坂本達哉[サカモトタツヤ]
慶應義塾大学大学院経済学研究科博士課程単位取得退学。日本学術振興会海外特別研究員、慶應義塾大学経済学部助手・助教授を経て、1996年より慶應義塾大学経済学部教授
長尾伸一[ナガオシンイチ]
京都大学大学院経済学研究科博士課程単位取得退学。滋賀大学経済学部助手・講師・助教授、広島大学経済学部助教授、名古屋大学経済学部助教授を経て、2003年より名古屋大学大学院経済学研究科教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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