内容説明
経済成長の後を追うかのように民主化を実現してきたアジア諸国。しかし、その過程は正しく評価されているだろうか?しばしば言われる「都市中間層や市民社会が登場し民主化の主たる担い手となってきた」という議論は、分かりやすいものの、裏付けは乏しく、むしろアジア社会の在り方を誤って見通すことにつながっていないだろうか?タイを舞台に、当事者の言説を渉猟しながら、実は、民主政治に消極的な勢力の慰撫こそが民主化の鍵を握っていたことを明らかにする意欲作。
目次
タイ政治の民主化をどう眺めるか
第1部 1992年5月事件(大規模集会:理由と影響;軍の政治力低下:理由と過程)
第2部 政治改革論と新憲法(1997年憲法の起草と政治的意味;2000年上院議員選挙:なぜ公務員議会の再現なのか;2001年総選挙:政治はどう変わったのか;タイ政治の民主化)
著者等紹介
玉田芳史[タマダヨシフミ]
京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科助教授1958年岐阜市生まれ。京都大学大学院法学研究科博士後期課程中途退学。愛媛大学法文学部助手、講師、助教授、京都大学東南アジア研究センター助教授を経て、1997年4月より現職。専門はタイ研究
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